少年「伯父も父も亡くなって僕が王に即位することになった」

**それでも動く名無し** · 2021/10/01(金) 23:52:59.73

父「・・・ｺﾞﾌｯｺﾞﾌｯ」
少年「お父さん！しっかりして！」ｶﾞｸｶﾞｸ
母「少年、話してあげなさい」
長女「お父さん・・・」
次女「・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/01(金) 23:55:20.93

父「息子よ・・・ｺﾞﾎｯ私が死んだらお前が・・・ｺﾞﾌｯｹﾞﾎｯ」
息子「うん、僕が立派な王様になるよ！」
母「・・・」
長女「・・・」
次女「・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/01(金) 23:57:00.91

父「それが聞けて嬉しい・・・」ﾋﾟｰ
医者「・・・ご臨終です」

少年「・・・」ｸﾞｽｯ

**それでも動く名無し** · 2021/10/01(金) 23:57:51.16

急にどうした？

**それでも動く名無し** · 2021/10/01(金) 23:59:45.44

少年「・・・」
母「いま、この国ならず世界中で多くの人が亡くなってる。あなただけじゃないわ。王様だから避けられるものではないから」
少年「うん・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:01:34.38

葬儀

少年「・・・」
母「・・・」
長女「・・・」
長女の婚約者「・・・」
次女「・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:03:24.14

葬儀

少年「・・・」
母「・・・」
長女「・・・」
長女の婚約者「・・・」
次女「・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:04:19.49

婚約者「なあ少年、俺も早くに父親を亡くしてな、その気持ちよくわかるンだわ」
少年「はい・・・」
婚約者「それで片親だってバカにされても一生懸命勉強して弁護士になったンだわ、今悲しくても、必ずいい未来が待ってるンだわ」
少年「ありがとうございます」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:08:13.89

婚約者「あ、長女！後でいくンだわ・・・とにかくめげちゃダメなンだわ、それじゃあ何にもならねンだわ、少年はこの国の王様になるわけだから辛抱するンだわ」
少年「はい・・・」ｼﾞﾜｯ
婚約者「いい子なンだわ」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:08:21.04

コムケイ番外編やめろ

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:10:38.10

婚約者「オレはお姉ちゃんと遠くの国で暮らす。たまに会いに来て一緒にまた遊戯王やるンだわ」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
少年「はい・・・」ｸﾞｽｯｸﾞｽｯｸﾞｽｯ

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:12:44.48

婚約者のお兄ちゃんはお姉ちゃんと遠くの国に行ってしまった。僕の唯一の遊び相手、なんでも相談できる人・・・

でもめげちゃだめだ、父上亡き後、ぼくが王様になって国民のためにいい政治を行なってみせる！

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:15:49.05

即位式

少年「やけに動きにくい着物だね」ｶﾞｻｶﾞｻ
侍従「ああ乱れてしまいますぞ、お振る舞いには気をつけて」
少年「こんな高い台座に僕一人でいるの？」
侍従「そうです、先代も先先代もそうしてこられたのです」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:19:50.98

少年「（居心地悪いなぁ）」
宰相「王様、万歳！　万歳！　万歳！」
少年「（あ、空に晴れ間がでた）」
宰相「王様のご即位を天上の神々も喜んでおいでと存じます」
少年「（今日から僕がこの国の王様なんだ）」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:23:21.78

少年「今日は私の即位式に集まりいただきありがとうございます。我が祖先より伝えしこの位を汚す事なく未来に伝えていきたいと考えています」
民衆「王様万歳！万歳！」
少年「またそれと・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:25:56.08

少年「これは私の考えですが、この国はいま危機的な状況にあると思います。この国のあり方について、保守すべきは保守し、改正すべきは改正すべきと考えます。そのために衆参両院の議員の方々、多くの国民のお力をいただきたい。どうかよろしくお願いします」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:29:22.54

侍従「陛下！いまなんという事を仰ったのですか！」
少年「侍従よ、どうしたんだ？」
侍従「この国では王様は政治的な発言をしてはならないことになっているのですぞ、ほら見てご覧なさい、テレビでもネットでも陛下の発言は国憲改正の詔勅であると報じていますぞ！」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:36:17.08

少年「そう・・・でも僕はそんなこと一言も言ってないけど？国のことでいいものは残し、悪いものは改めようと言っただけだし、国会は国権の最高機関だろう？国民主権の原則からも何にもおかしな事は言ってないじゃないか」
侍従「言い方の問題です！あれではどう聞いても陛下が国憲改正を命じたようにしか聞こえません！」
少年「わかったよ、じゃあ明日釈明するから原稿作っといて」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:40:53.91

少年「昨日私の考えを述べたものについて、国民の皆様の中で色々な誤解を生んでしまいました、私はただ一般的に国の未来について述べたもので、具体的な内容のものではありません」
侍従「はあ、まだ始末書残ってるよ、帰ったら書こう・・・」
少年「ただ、私の「真意」を汲み取って頂きたいと考えています」ﾍﾟｺﾘ
侍従「・・・！」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:44:17.64

テレビ「昨日に引き続き今日は本当にびっくりするニュースが入りましたね〜、これは憲法違反にはならないのでしょうか、釧路弁護士？ハイこれは憲法違反にはな」ﾌﾟﾂﾝ
侍従「なんということをされたのでしょうか、陛下！」
少年「僕は何にも言ってないよ」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:49:59.25

侍従「いま世間では王自らの勅が下ったいま、国憲の改正は避けられないとか、あるいは違憲であり訴えるという団体も出てきましたぞ」
少年「だったらなんだよ？僕の国だぞ？万世一系、脈々と受け継がれてきたこの国の統治は僕の一手に全て握られている、シンボル王朝なんて終わらせてやる」
侍従「！！！・・・」ｶﾞｸｶﾞｸ
少年「これは始まりだよ、まだまだ僕のやりたいことはあるんだ、もう無能な大臣連中には政治はやらせない、僕が直接全てを決めるんだ」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 00:51:42.11

寝る、なんGでSS文化がまた復興したらいいな

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 01:35:31.73

お疲れ

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 01:40:34.19

もうちょっと書く

侍従「へ、陛下落ち着いてください、確かに過去には王直接の政治を行う親政というのもございました。しかし日本は立憲主義、民主主義の国でございます」
少年「でも昔父上から聞いたことがあるよ、明冶の王は侍従に親政を行うように勧められていたと聞く、当時は拒否したのが正しかったと思う。でも今の情勢をご覧よ？麦国に負けて以来我が国は軍隊すら持てないがんじがらめの国憲をつけられて、こんなもの普通の手段で変えられるわけがない」
侍従「しかし・・・」
少年「もう決めたんだ」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 01:57:34.18

見てるぞ

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 03:06:30.37

待ってるよ

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 11:01:35.92

じゃあ書く

少年「もういい、下がれ」
侍従「・・・わかりました」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 11:11:45.84

少年「（この国の歴史をみるに、王朝が権力をふるった時期は短い。貴族政権時代、武士政権時代を経て現在の議員内閣時代・・・あからさまに王が力を持つことは許されない）」
少年「（俗なるものとしての政治家である国王と、神々祖霊との交流を通じた聖なるものとしての法王の立場。前者の位は常に奪われ、後者の立場、祭りごとをとりはからう神主とだけ尊崇されてきた）」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 11:16:07.68

少年「（政治と宗教の狭間。俗世と関わらないからこそ保たれてきた独特の地位。むしろ親政は望ましくないか？いま現代において政治の表舞台に出ることが果たして望ましいだろうか？出来る出来ない以前に）」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 11:19:23.24

少年「（即位式にああいうふうにいうのはまずかった。もう少し徐々にマスコミを通じて国憲の範囲において自分の意思を表明するべきだったかも知れない）」

少年「・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 12:58:30.89

日本ではなく曰本だったわ、一応架空の話だから

侍従「陛下、宰相が面会を望んでおりますが」
少年「ああ、構わないよ」
侍従「承知しました」

宰相「陛下に、おかれましては、ご病気の、ところを、面会して、頂きまして、まことに、ありがたく存じます」
少年「病気？」ﾁﾗｯ
侍従「・・・」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 13:09:54.98

少年「いや、構わないですよ」
宰相「ありがたく、存じる次第で、あります」
少年「何のようでしたか？」
宰相「陛下の、お言葉について、世間が騒いでおります」
少年「ああ、すまないね」
宰相「私どもは、大丈夫で、あります。むしろ陛下が、気に病んでいらっしゃらないか、と心配で参ったので、あります」
少年「・・・いや、気にしてない」
宰相「私ども与党は、陛下と同じく危機感を、共有するもので、あります。必ずや、陛下のご聖意に、違うことなく国憲改正に邁進して、参ります」
少年「！」
侍従「・・・」
宰相「けっして、うら思いなされませぬよう、お願いを、申し上げます」
少年「ああわかったよ、ご苦労様。頼りにしてるよ」
宰相「は、は！失礼致します」ﾍﾟｺﾘ

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 13:22:43.34

少年「侍従よ」
侍従「は」
少年「私はこの国の王なのだ。神王即位よりこのかた決まっていることだ」
侍従「・・・」

侍従「お言葉ですが、この国は民主主義・立憲主義の国でございます。それは先代も先先代も守られてきたこと。それは陛下を守る仕組みでもあります。もし失敗されたら、責任は当然陛下が取ることになるのでございます。宗峻王が殺され、後鳥王が流されたのも自分が権力を持ったからであります。よくお考えになってください」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 13:25:01.41

少年「・・・そんなことは関係ない。たまたまそうなっただけなのだ」
侍従「しかし」
少年「もういい。顔も見たくない」
侍従「！・・・承知しました。私は下がります」

**それでも動く名無し** · 2021/10/02(土) 13:29:40.07

少年「・・・（言いすぎたかな、奴の言うことも正しいかも知れない）」
少年「寝よう・・・」

侍従「おはよう御座います」
少年「ん？やつはどうした？」
侍従「昨日づけで一身上の理由ということで辞められました」
少年「えっ、本当か」
侍従「はい、自分には務まらないとも申しておりましたが・・・今日からは私がつかせて頂きます」
少年「・・・そうか」