右膝内側側副靱帯損傷で離脱中の巨人・坂本勇人(33)が38日ぶりに実戦の守備に就いた。
7日のロッテとの二軍戦に「3番・遊撃」で出場。負傷した4月30日以来の守備となったが、2度の機会を無難にこなし、「守備に就けたのは状態の良さ。打球も処理して、膝もそんなに悪くないので、ここから一気に上がってくるんじゃないか。下(二軍)でゆっくりしている場合ではないんで」と前を向いた。8日も二軍戦に出場し、早ければ9日か10日にも一軍合流となりそうだ。

■右膝故障の主将が二軍戦で遊撃守備に就いたのは朗報だが…

 そうなると気になるのは、一軍の遊撃を守る高卒2年目の中山礼都(20)である。当初は広岡が遊撃で起用されたが、攻守で不安を露呈。5月8日から中山が25試合連続でスタメンを続けている。これまで29試合に出場し、打率.200ながら、広い守備範囲と安定した送球で主将の代役として奮闘中だ。

「二塁のレギュラーが決まっていないこれまでなら、中山が遊撃からスライドして出場する可能性はあったが、今年は一時、打率トップを走っていた吉川が定着。坂本が戻ってきたから二塁というわけにはいかなくなった。中山は、まだ20歳。サブでベンチに座っているくらいなら、二軍で試合に出して打席に立たせるというチーム方針がある。坂本の膝の状態が心配ないと判断され次第、二軍行きとなるでしょう」(巨人OB)

 巨人の原監督は今季、「若手育成」を掲げ、事あるごとに「同じ実力なら、若手を使う」とアピールしてきた。

「投手はリーグトップの20セーブを挙げている新人守護神・大勢が牽引しているが、開幕当初は勢いがあった山崎伊、赤星、堀田といった期待の若手先発陣は総崩れ。野手の新星を見渡しても、中山が消えてしまうと、新顔は高卒4年目で一塁を守る増田陸(21)だけになってしまう。結局、大卒1位の即戦力ルーキーが期待通りに働いただけ、となりかねない。台頭したのが大勢だけでは、育てたとは言えません」(前出のOB)

 主将の復帰により、今年も看板倒れになりそうな雲行きになってきた。

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