大谷の投打二刀流の活躍は前例がないため、その価値を正確に評価するのは難しい。
ローゼンタール記者は「二刀流選手としてのインパクトを考えれば、史上最高年俸選手となるべきだ」と記しているものの、現在の労働量を今後も維持できる保証はなく、トミー・ジョン手術や左膝の手術など、これまでの故障歴を考えても、エンゼルスのみならず長期の大型契約に二の足を踏む球団は多くなることが予想される。

ローゼンタール記者がもう1つ、エンゼルスが大谷との大型契約に積極的でない理由として挙げるのは過去の失敗例だ。エンゼルスはこれまでにアルバート・プホルス、ジャスティン・アップトン、ジョシュ・ハミルトン、C・J・ウィルソンらと大型契約を結んできたが、いずれも期待通りの成果は得られなかった。アンソニー・レンドンとの大型契約も上手くいっているとは言えず、マイク・トラウトとの超大型契約を抱えているというチーム事情もある。

もちろん、今季と来季にエンゼルスが思うような結果を残せなかった場合、大谷自身がエンゼルス残留を望まない可能性もある。
しかし、エンゼルスにおける大谷の二刀流は「DH枠の独占」や「6人制ローテーションの採用」といった特殊な事情のもとに成り立っており、他球団へ移籍した際に同じようなプレー環境を用意してもらえる保証はない。
大谷はエンゼルスに残って現在のような形の二刀流を継続するか、現在のような形の二刀流を諦めて強豪チームへ移籍するかの二択を迫られる可能性もありそうだ。