漱石スクリプトに対抗して芥川スクリプト作ったンゴ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:01:33.99

ゲエルは給仕を見送りながら、泣き笑いに近い表情をしましたから、ある時この男が考えていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。
「常談を言って聞かせるだけですから、真面目に宗教を考えたことはたしかです。
「それに良秀と申しますのは、沢山あるまい。」
僕はしばらくこの河童と自殺したトックの最後を憐れみましたから陀多はこれを妙に思いました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:01:56.79

漱石スクリプトが「坊ちゃん」のデータを使ってるからこっちは芥川龍之介の「地獄変」「蜘蛛の糸」「河童」「羅生門」を使った

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:02:06.47

娘はもう一度かう繰返しましたが、やがて眉を険しく御動かしになりながら、せっせとのぼって参ります。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに圧されたかと思いました。哲学者のマッグと話をしましょう。ただし括弧の中に――高山植物の鉢植えの中に
しかし実際、良秀は畏る畏る頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、蜘蛛の糸を、一列になりながら、

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:02:21.08

「それはみんな食ってしまう」ということです。しかしあの哲学者のマッグだけはトックの死にある感動を受けていた。
「なんのために甘んじてひとりの天才を犠牲にすることもできなかったかもしれません。では五番目の龕の中をのぞいているのだ？」
すると、老婆は黙って殺されるのではない、ポスタアの近所にいたのである。所が十歩と歩かない中に、誰かがこの下人に、さっき門の下で、この男には欠けていた詩です。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:02:36.35

不承無承にかう仰有る大殿様の御側からは御離れ申した事がない？都育ちの人間は知らないものばかりでございます。
やせた河童が一匹、無造作に譜本を抱えたまま、高山植物の鉢植えの中に繰り返し、マッグの家へ急いでゆきました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:02:44.93

バッグはこの返事を聞いた時、てれたように太い息をもらしました。
後にはただ極楽の蜘蛛が一匹、ある河童の夫婦を訪問しました。年をとった河童は何かそれらの像を見知っているようですね？」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:02:57.61

「トックさんは僕を軽蔑しながら、頻に爪を噛んで居りましたが、……ただトックは不幸にもラックの義眼なるを知らざるなるべし。
「何か正体の知れないものを見たやうな良秀でも、格別どうしようとしました。すると細君はほっとしたように頭を下げ、蒲団のない椅子を指さすであろう。――「出ていかれる路を教えてください。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:03:21.84

するとマッグは椅子を離れ、僕の両手を握ったまま、ぼんやり何か考えていますがね。」
「黙りたまえ。君などに何がわかる？僕はロックを恐れている被害妄想の多い狂人です。……」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:03:49.03

漱石も芥川も著作権フリーやから誰からも怒られんのやね

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:03:51.84

僕はあの音楽会以来、クラバックのおお声をあげて泣いていました。
ゲエルは相変わらず微笑しながら、恭しく御前へ平伏致しました。
見ると、驚いたのと恐しいのとで、そのまん中にある金色の蕊からは、恐怖が少しずつ消えて行った。そうして体を出来るだけ、前へ出して、「こら、こら、そうのぞいてはいかん。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:04:06.27

バッグは得意そうに顔中に微笑をみなぎらせたまま、ちょっとマッグの手を面皰から離して、老婆の床に挿した松の木片のように足音をぬすんで、やっと急な梯子を夜の底へかけ下りた。
「やあ、しばらく会わなかったね。まあ、その椅子にかけたまえ。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:04:38.64

なに対抗しとんねん

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:04:44.50

「ええ、あいにくその獺は勲章を持ってはいないのですか？」
僕に宗教というものをこぼしたのは音楽家のクラバックのいかにも不機嫌だったことをつけ加えていました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:04:55.60

僕はこういうゲエルを見ると、まるで弩にでも弾かれたように見えたのだ？」
僕はまた詩人のトックの軽蔑を思い出したのも無理はありません。……」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:05:08.00

河童すき

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:05:09.96

「よろしい。どうも御苦労だったね。まあ、その椅子にかけたまえ。」
「きょうはこの方のお伴をしてきた時になぜか身の毛がよだちました。
僕は多少心配になり、そっと椅子から立ち上がると、べろりと舌を出したものです。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:05:30.99

やがて御釈迦様はその蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、勢いよく燃え上り出していたのはトックの死にある感動を受けてしまうのです。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:05:41.86

「つまり餓死したり自殺したりするのですか？」
僕は多少心配になり、そっと椅子から立ち上がると、べろりと舌を出したように覚えています。僕はきょう窓の外を見ながら、静かに正面の祭壇を指さしました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:05:53.58

そこで陀多は大きな声を出して、「こら、こら、そうのぞいてはいかん。」
これは哲学者のマッグも相変わらず七色の色硝子のランタアンの下にいつも子どもたちと遊んでいるのです。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:06:03.86

頭おかしなるで

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:06:08.78

その髪の毛が、一本ずつ抜けるのに従って、下人の耳へ伝わって来た。――いや、「僕ら」ではありません。
しかし、その御話を致しますには、娘の胸の動悸に耳を持っていました。その時、はじめてその死骸の中に後始末のことなどを話しました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:06:32.78

その髪の毛が、一本ずつ抜けるのに従って、下人の耳へ伝わって来た。――いや、「僕ら」ではありません。
しかし、その御話を致しますには、娘の胸の動悸に耳を持っていました。その時、はじめてその死骸の中に後始末のことなどを話しました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:06:41.16

草

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:06:49.64

「それはあきらめるほかはないさ。さあ、これを持っていました。
答-必ずしも後悔せず。自殺を弁護せるモンテェニュのごときは死後の名声は如何？
チャックは鼻目金を直し、こう巡査に尋ねてみました。

2022/06/27(月) 04:06:50.44

何の勝負だw

2022/06/27(月) 04:06:58.27

中島敦も作れ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:07:11.32

「よろしい。どうも御苦労だったね。まあ、その椅子にかけたまえ。」
たとい芝居の背景の前に立たせたのはあの音楽家のクラバックにトックの詩稿を読み出しました。すると、――僕はこう口を入れた河童、――哲学者のマッグを尋ねに出かけました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:07:29.62

「それから戦争になったのです。僕は花瓶の中の半身像です。僕はしかたがありませんか？これは驢馬の脳髄ですよ。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:07:30.29

何の勝負やねん

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:07:41.74

岩むらはこごしく。……岩むらはこごしく、やま水は清く、
「一週間前に死んでしまったものですから、たいした苦痛はありませんからね。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:07:56.60

僕はこの病院へはいった当座も河童の国の言葉を使うことに感動していたゲエルは手近いテエブルの上にも及ぼしているのはおかしいですからね。」
僕はこの時には第六の龕の中に蹲つて居りますし、まるで良秀の事を申し上げませう。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:08:17.50

草

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:08:24.30

何故かと云うと、この二三年、京都には、手段を選んでいる遑はない。今し方この門の上で、死人の髪の毛を抜くかわからなかった。しかし僕に意外だったのです。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:08:39.23

「ええ、いっそ登ってしまえ。」――僕はこの答えを聞いた時に年よりだったことだと思っているがね、ああいう家庭の容子を御覧になりましたが、これは或は私の気のせゐか良秀の申す事が御耳にはいらなかつたやうな良秀でも、耳のない河童には往来も同様ですから。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:08:54.57

「クオラックス党を支配している。下人は、老婆の床に挿した松の木片のように大胆に家族を捨てることができませんからね。」
ちょうど長老のこう言った時、「その話はやめましょう。ただし括弧の中に唯一度、この時はトックの遺言状ですか？」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:08:59.08

イッチNGしておくね🤗

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:09:13.88

ちなみに規制対策とかはできてないからこれで終わり

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:09:47.37

じっさいどっちの文学の方が上なんや？

2022/06/27(月) 04:11:50.20

インテリなんだか馬鹿なんだかよくわからんイッチ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:12:06.15

回線コロコロして書き込んでるスクリプトはどうやってるのか想像もつかないンゴねぇ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:15:57.46

ハルキプトも作ってよ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:16:04.37

乱歩で頼むわ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:16:08.68

漱石

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:16:22.29

>>41
著作権とかどうなんやろ…

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:18:08.23

>>44
盲点だったわ
100年後に頼む

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:19:33.20

ハルキがすぐ死んでも70年？はかかるのか著作権

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:20:32.73

シェイクスピアを翻訳付きで頼む

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:20:39.75

>>46
今は死後70年やね

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:23:53.85

>>42
作ったわ
「怪人二十面相」のデータいれた
ちょっと春

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:24:10.19

しかし、いくら血がきらいなのです。十時といえば、この松下という失業紳士は、いかにもあわれに見えます。
これほどの大胆のしわざをする賊のことですからね、五千円の手あてを出すというのです。今から考えてみると、つまり警部さんの部下のために、証人を呼びださなければなりません。そこで、いつにない早起きをして見せたのですね。ぼくでもよだれがたれるようですよ。それでこそぼくの味方だ。だが、小林君。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:24:33.02

>>87
いいな

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:24:39.71

なぞみたいないい方はよしたまえ。ここにおいでになって、先生の明智小五郎をとりこにしては、付近の住民にあやしまれて、パッとふりはなしました。すると、いったいこの奇跡はどうしておこったのですが、どうもふしぎですよ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:24:59.36

明智小五郎も、負けない大笑いをしながら、近づいてきました。
かくして、たたかいは、小林少年は、すっかりもとの所有者の手に返ります。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:25:15.23

窓の外をのぞいてみたまえ。早く、なわをといて、明智のほうへ歩きはじめました。
見ると、その中にこしかけて、チラチラと、時計の針をながめていました。
かっきりに、ぬすみだすぞという、確信にみちた口調に、刑事部長をしたがえてあらわれました。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:25:38.04

明智がすすめても、こんな失策をやる男ではないからね。
これで羽柴家の事件のさい、無益な問答をつづけているではありますまい。
すると、そのつぎのしゅんかんに十年も年をとった係長があらわれたのを見ると、その番号が一三八八七番だったのです。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:25:51.46

逃がすなっ、山をおりたぞ。わしはこんな身なりはしておられませんでした。
刑事たちが、立ちどまって、この窓をながめていました。少し息づかいがはげしいようです。少しお待ちください。じきなおりましょうから。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:26:03.62

以上やで

2022/06/27(月) 04:27:14.95

おつかれさん

2022/06/27(月) 04:27:16.42

中島敦も作れ😡

2022/06/27(月) 04:27:53.60

三島由紀夫スクリプトないの？
最後の演説の文字起こしをスクリプトで連投してほしい
きけ！きかぬか！！って

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:28:24.04

安倍公方と三島も作れ😡

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:29:04.60

昼餉ののち、師父が道ばたの松の樹の下でしばらく憩ておられる間、
悟空は八戒を近くの原っぱに連出して、変身の術の練習をさせていた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:29:18.28

>>59
まあ山月記なんGでも大人気やしな
機会があれば作る

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:30:21.48

「やってみろ！」と悟空が言う。「竜になりたいとほんとうに思うんだ。いいか。ほんとうにだぜ。
この上なしの、突きつめた気持で、そう思うんだ。ほかの雑念はみんな棄ててだよ。いいか。
本気にだぜ。この上なしの・とことんの・本気にだぜ。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:32:10.37

「よし！」と八戒は眼を閉じ、印を結んだ。八戒の姿が消え、五尺ばかりの青大将が現われた。
そばで見ていた俺は思わず吹出してしまった。「ばか！　青大将にしかなれないのか！」と悟空が叱しかった。
青大将が消えて八戒が現われた。「だめだよ、俺は。まったくどうしてかな？」と八戒は面目なげに鼻を鳴らした。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:33:15.59

「だめだめ。てんで気持が凝らないんじゃないか、お前は。もう一度やってみろ。
いいか。真剣に、かけ値なしの真剣になって、竜になりたい竜になりたいと思うんだ。
竜になりたいという気持だけになって、お前というものが消えてしまえばいいんだ。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:34:40.44

よし、もう一度と八戒は印を結ぶ。今度は前と違って奇怪なものが現われた。錦蛇には違いないが、
小さな前肢が生えていて、大蜥蜴のようでもある。しかし、腹部は八戒自身に似てブヨブヨ膨ふくれており、
短い前肢で二、三歩匍うと、なんとも言えない無恰好さであった。俺はまたゲラゲラ笑えてきた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:35:12.90

「もういい。もういい。止やめろ！」と悟空が怒鳴る。頭を掻き掻き八戒が現われる。
悟空。お前の竜になりたいという気持が、まだまだ突きつめていないからだ。だからだめなんだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:35:39.52

八戒。そんなことはない。これほど一生懸命に、竜になりたい竜になりたいと思いつめているんだぜ。
こんなに強く、こんなにひたむきに。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:35:53.70

悟空。お前にそれができないということが、つまり、お前の気持の統一がまだ成っていないということになるんだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:36:07.31

八戒。そりゃひどいよ。それは結果論じゃないか。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:36:38.79

悟空。なるほどね。結果からだけ見て原因を批判することは、けっして最上のやり方じゃないさ。
しかし、この世では、どうやらそれがいちばん実際的に確かな方法のようだぜ。
今のお前の場合なんか、明らかにそうだからな。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:37:14.60

　悟空によれば、変化へんげの法とは次のごときものである。すなわち、あるものになりたいという気持が、
この上なく純粋に、この上なく強烈であれば、ついにはそのものになれる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:38:36.99

なれないのは、まだその気持がそこまで至っていないからだ。法術の修行とは、
かくのごとく己の気持を純一無垢、かつ強烈なものに統一する法を学ぶに在る。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:39:17.67

この修行は、かなりむずかしいものには違いないが、いったんその境に達したのちは、
もはや以前のような大努力を必要とせず、ただ心をその形に置くことによって容易に目的を達しうる。
これは、他の諸芸におけると同様である。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:40:22.47

変化の術が人間にできずして狐狸にできるのは、つまり、
人間には関心すべき種々の事柄があまりに多いがゆえに精神統一が至難であるに反し、
野獣は心を労すべき多くの瑣事を有たず、したがってこの統一が容易だからである、云々。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:41:12.19

悟空は確かに天才だ。これは疑いない。それははじめてこの猿を見た瞬間にすぐ感じ取られたことである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:42:14.59

初め、赭顔・鬚面のその容貌を醜いと感じた俺も、次の瞬間には、
彼の内から溢れ出るものに圧倒されて、容貌のことなど、すっかり忘れてしまった。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:42:33.01

今では、ときにこの猿の容貌を美しい（とは言えぬまでも少なくともりっぱだ）とさえ感じるくらいだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:43:13.67

その面魂にもその言葉つきにも、悟空が自己に対して抱いている信頼が、生き生きと溢れている。
この男は嘘のつけない男だ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:43:32.51

誰に対してよりも、まず自分に対して。この男の中には常に火が燃えている。豊かな、激しい火が。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:43:44.56

ガイジ取りがガイジになってしまった

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:44:14.63

その火はすぐにかたわらにいる者に移る。
彼の言葉を聞いているうちに、自然にこちらも彼の信ずるとおりに信じないではいられなくなってくる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:44:36.94

なんか連投されてて草

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:44:54.04

彼のかたわらにいるだけで、こちらまでが何か豊かな自信に充みちてくる。
彼は火種。世界は彼のために用意された薪。世界は彼によって燃されるために在る。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:45:36.75

我々にはなんの奇異もなく見える事柄も、悟空の眼から見ると、
ことごとくすばらしい冒険の端緒だったり、彼の壮烈な活動を促す機縁だったりする。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:46:26.61

青空文庫スクレイピングすればいいの？

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:46:28.30

もともと意味を有った外そとの世界が彼の注意を惹ひくというよりは、
むしろ、彼のほうで外の世界に一つ一つ意味を与えていくように思われる。
彼の内なる火が、外の世界に空しく冷えたまま眠っている火薬に、いちいち点火していくのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:47:09.53

いっそ枕草子でも突っ込んだれ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:47:17.33

探偵の眼をもってそれらを探し出すのではなく、詩人の心をもって（恐ろしく荒っぽい詩人だが）
彼に触れるすべてを温め、（ときに焦がす惧れもないではない。）

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:48:32.08

そこから種々な思いがけない芽を出させ、実を結ばせるのだ。
だから、渠・悟空の眼にとって平凡陳腐なものは何一つない。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:49:08.42

毎日早朝に起きると決まって彼は日の出を拝み、
そして、はじめてそれを見る者のような驚嘆をもってその美に感じ入っている。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:49:36.08

心の底から、溜息をついて、讃嘆するのである。これがほとんど毎朝のことだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:50:07.78

松の種子から松の芽の出かかっているのを見て、なんたる不思議さよと眼を瞠るのも、この男である。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:50:27.72

スクリプトの作り方教えてくれや
なんJ荒らしたいンゴ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:50:44.51

　この無邪気な悟空の姿と比べて、一方、強敵と闘っているときの彼を見よ！
なんと、みごとな、完全な姿であろう！

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:51:56.46

全身些かの隙もない逞しい緊張。律動的で、しかも一分のむだもない棒の使い方。
疲れを知らぬ肉体が歓び・たけり・汗ばみ・跳ねている・その圧倒的な力量感。

2022/06/27(月) 04:53:25.80

>>63
やったぜ
サンガツ記

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:53:46.68

いかなる困難をも欣んで迎える強靱な精神力の横溢。それは、輝く太陽よりも、咲誇る向日葵よりも、
鳴盛る蝉よりも、もっと打込んだ・裸身の・壮んな・没我的な・灼熱した美しさだ。
あのみっともない猿の闘っている姿は。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:54:49.96

　一月ほど前、彼が翠山中で大いに牛魔大王と戦ったときの姿は、いまだにはっきり眼底に残っている。
感嘆のあまり、俺はそのときの戦闘経過を詳しく記録に取っておいたくらいだ。

2022/06/27(月) 04:56:46.67

これにワイのkakikomi.txt読ませるとワイっぽい書き込みをする何かが生まれるってこと？
怖いわね

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:57:03.41

…牛魔王一匹の香しょうと変じ悠然として草を喰いいたり。
悟空これを悟り虎に変じ駈かけ来たりて香しょうを喰わんとす。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:57:37.42

牛魔王急に大豹と化して虎を撃たんと飛びかかる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:59:00.30

>>101
せやね
前までいた漱石じゃないスクリプトは政治スレ身長スレのレス拾ってたからああなってた訳だし

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 04:59:19.16

悟空これを見てから猊となり大豹目がけて襲いかかれば、
牛魔王、さらばと黄獅に変じ霹靂のごとくに哮ってから猊を引裂かんとす。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:00:15.72

悟空このとき地上に転倒すと見えしが、ついに一匹の大象となる。鼻は長蛇のごとく牙は筍に似たり。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:01:21.94

牛魔王堪えかねて本相を顕し、たちまち一匹の大白牛たり。頭は高峯のごとく眼は電光のごとく双角は両座の鉄塔に似たり。
頭より尾に至る長さ千余丈、蹄より背上に至る高さ八百丈。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:02:14.92

大音に呼ばわって曰く、なんじ悪猴今我をいかんとするや。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:03:18.20

悟空また同じく本相を顕わし、大喝一声するよと見るまに、身の高さ一万丈、
頭は泰山に似て眼は日月のごとく、口はあたかも血池にひとし。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:04:31.33

奮然鉄棒を揮って牛魔王を打つ。牛魔王角をもってこれを受止め、両人半山の中にあってさんざんに戦いければ、
まことに山も崩れ海も湧返り、天地もこれがために反覆するかと、すさまじかり。……

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:05:14.04

句読点NGに入れてるから見えないンゴ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:06:36.43

　なんという壮観だったろう！　俺おれはホッと溜息を吐いた。そばから助太刀に出ようという気も起こらない。
孫行者の負ける心配がないからというのではなく、一幅の完全な名画の上にさらに拙い筆を加えるのを
愧じる気持からである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:06:55.54

なんでそんなことするの

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:07:01.23

スクリプトって中身はどうでもええやろ
問題はID変えと書き込みの速度

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:07:29.08

災厄は、悟空の火にとって、油である。困難に出会うとき、彼の全身は（精神も肉体も）焔々と燃上がる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:07:29.34

三島由紀夫で作れや

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:08:41.54

逆に、平穏無事のとき、彼はおかしいほど、しょげている。独楽のように、
彼は、いつも全速力で廻まっていなければ、倒れてしまうのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:09:42.06

困難な現実も、悟空にとっては、一つの地図－目的地への最短の路が
ハッキリと太く線を引かれた一つの地図として映るらしい。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:10:29.35

現実の事態の認識と同時に、その中にあって自己の目的に到達すべき道が、実に明瞭に、彼には見えるのだ。
あるいは、その途以外の一切が見えない、といったほうがほんとうかもしれぬ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:11:02.97

闇夜の発光文字のごとくに、必要な途だけがハッキリ浮かび上がり、他は一切見えないのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:11:48.10

我々鈍根のものがいまだ茫然として考えも纏まらないうちに、悟空はもう行動を始める。
目的への最短の道に向かって歩き出しているのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:12:37.06

人は、彼の武勇や腕力を云々する。しかし、その驚くべき天才的な智慧については案外知らないようである。
彼の場合には、その思慮や判断があまりにも渾然と、腕力行為の中に溶け込んでいるのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:13:26.42

　俺は、悟空の文盲なことを知っている。かつて天上で弼馬温なる馬方の役に任ぜられながら、
弼馬温の字も知らなければ、役目の内容も知らないでいたほど、無学なことをよく知っている。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:14:10.38

しかし、俺は、悟空の（力と調和された）智慧と判断の高さとを何ものにも優して高く買う。
悟空は教養が高いとさえ思うこともある。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:15:05.28

少なくとも、動物・植物・天文に関するかぎり、彼の知識は相当なものだ。
彼は、たいていの動物なら一見してその性質、強さの程度、
その主要な武器の特徴などを見抜いてしまう。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:15:32.21

雑草についても、どれが薬草で、どれが毒草かを、実によく心得ている。
そのくせ、その動物や植物の名称（世間一般に通用している名前）は、まるで知らないのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:15:49.21

乗っ取られて草

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:17:23.95

彼はまた、星によって方角や時刻や季節を知るのを得意としているが、角宿という名も心宿という名も知りはしない。
二十八宿の名をことごとくそらんじていながら実物を見分けることのできぬ俺と比べて、なんという相異だろう！
目に一丁字のないこの猴の前にいるときほど、文字による教養の哀れさを感じさせられることはない。

2022/06/27(月) 05:17:46.84

それ対抗じゃなくて便乗荒らしだよね😅

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:18:18.70

悟空の身体の部分部分は－目も耳も口も脚も手も－みんないつも嬉しくて堪らないらしい。
生き生きとし、ピチピチしている。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:18:39.38

核の抑止力みたい
向こうは領地ないけど

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:18:53.45

ことに戦う段になると、それらの各部分は歓喜のあまり、
花にむらがる夏の蜂のようにいっせいにワァーッと歓声を挙げるのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:19:21.84

悟空の戦いぶりが、その真剣な気魄にもかかわらず、どこか遊戯の趣を備えているのは、このためであろうか。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:20:17.34

>>131
同じ力を持つことで戦争回避するやつやな

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:20:24.46

>>129
うるせぇゴミ
知的障害持ってそう

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:20:53.73

人はよく「死ぬ覚悟で」などというが、悟空という男はけっして死ぬ覚悟なんかしない。どんな危険に陥った場合でも、
彼はただ、今自分のしている仕事（妖怪を退治するなり、三蔵法師を救い出すなり）の成否を憂えるだけで、
自分の生命のことなどは、てんで考えの中に浮かんでこないのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:22:21.29

太上老君の八卦炉中に焼殺されかかったときも、銀角大王の泰山圧頂の法に遭おうて、泰山・須弥山・峨眉山
の三山の下に圧し潰されそうになったときも、彼はけっして自己の生命のために悲鳴を上げはしなかった。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:22:56.99

最も苦しんだのは、小雷音寺の黄眉老仏のために不思議な金鐃の下に閉じ込められたときである。

2022/06/27(月) 05:23:23.59

大怪獣バトルやめーや

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:24:26.80

こういうのどうやって作っとるんや、、、

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:24:36.40

推せども突けども金鐃は破れず、身を大きく変化させて突破ろうとしても、悟空の身が大きくなれば
金鐃も伸びて大きくなり、身を縮めれば金鐃もまた縮まる始末で、どうにもしようがない。
身の毛を抜いて錐と変じ、これで穴を穿とうとしても、金鐃には傷一つつかない。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:24:42.45

謎技術

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:26:05.04

そのうちに、ものを蕩かして水と化するこの器の力で、悟空の臀部のほうがそろそろ柔らかくなりはじめたが、
それでも彼はただ妖怪に捕えられた師父の身の上ばかりを気遣っていたらしい。
悟空には自分の運命に対する無限の自信があるのだ（自分ではその自信を意識していないらしいが。）

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:29:27.96

やがて、天界から加勢に来た亢金竜がその鉄のごとき角をもって満身の力をこめ、外から金鐃を突通した。
角はみごとに内まで突通ったが、この金鐃はあたかも人の肉のごとくに角に纏いついて、少しの隙もない。
風の洩るほどの隙間でもあれば、悟空は身をけし粒と化して脱れ出るのだが、それもできない。

2022/06/27(月) 05:30:00.75

単発IDじゃNGされちゃわない？

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:31:14.62

半ば臀部は溶けかかりながら、苦心惨憺の末、ついに耳の中から金箍棒を取出して鋼鑚に変え、
金竜の角の上に孔を穿ち、身を芥子粒に変じてその孔に潜み、金竜に角を引抜かせたのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:31:46.31

村上春樹スクリプトとか金原ひとみスクリプトとかも作れ

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:32:09.61

ようやく助かったのちは、柔らかくなった己の尻のことを忘れ、すぐさま師父の救い出しにかかるのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:35:01.25

文豪スクリプトシリーズは草

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:35:13.70

あとになっても、あのときは危なかったなどとけっして言ったことがない。「危ない」とか「もうだめだ」とか、
感じたことがないのだろう。この男は、自分の寿命とか生命とかについて考えたこともないに違いない。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:35:31.65

彼の死ぬときは、ポクンと、自分でも知らずに死んでいるだろう。
その一瞬前までは溌剌と暴れ廻っているに違いない。
まったく、この男の事業は、壮大という感じはしても、けっして悲壮な感じはしないのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:36:33.63

ワイもAIノベリストにkakikomi.txt読み込ませてワイスクリプト作って遊んでるで

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:38:38.43

　猿さるは人真似をするというのに、これはまた、なんと人真似をしない猴だろう！
真似どころか、他人から押付けられた考えは、たといそれが何千年の昔から万人に認められ
ている考え方であっても、絶対に受付けないのだ。自分で充分に納得できないかぎりは。
因襲も世間的名声もこの男の前にはなんの権威もない。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:39:47.07

　悟空の今一つの特色は、けっして過去を語らぬことである。というより、彼は、
過去ったことは一切忘れてしまうらしい。少なくとも個々の出来事は忘れてしまうのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:41:06.77

その代わり、一つ一つの経験の与えた教訓はその都度、彼の血液の中に吸収され、
ただちに彼の精神および肉体の一部と化してしまう。いまさら、個々の出来事を一つ一つ
記憶している必要はなくなるのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:42:20.51

小関直哉スクリプトも作れや

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:42:37.15

彼が戦略上の同じ誤りをけっして二度と繰返さないのを見ても、これは判る。
しかも彼はその教訓を、いつ、どんな苦い経験によって得たのかは、すっかり忘れ果てている。
無意識のうちに体験を完全に吸収する不思議な力をこの猴は有っているのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:43:56.58

　ただし、彼にもけっして忘れることのできぬ怖ろしい体験がたった一つあった。あるとき彼はそのときの恐ろしさを
俺に向かってしみじみと語ったことがある。それは、彼が始めて釈迦如来に知遇し奉ったときのことだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:44:07.50

すまん杜子春も入れてくれへんか

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:45:22.52

　そのころ、悟空は自分の力の限界を知らなかった。彼が藕糸歩雲の履を穿き鎖子黄金の甲を着け、
東海竜王から奪った一万三千五百斤の如意金箍棒を揮って闘うところ、
天上にも天下にもこれに敵する者がないのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:46:13.33

列仙の集まる蟠桃会を擾がし、その罰として閉じ込められた八卦炉をも打破って飛出すや、
天上界も狭しとばかり荒れ狂うた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:47:27.11

群がる天兵を打倒し薙ぎ倒し、三十六員の雷将を率いた討手の大将祐聖真君を相手に、
霊霄殿の前に戦うこと半日余り。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:48:30.41

そのときちょうど、迦葉・阿難の二尊者を連れた釈迦牟尼如来がそこを通りかかり、
悟空の前に立ち塞がって闘いを停めたもうた。悟空が怫然として喰ってかかる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:51:53.51

如来が笑いながら言う。「たいそう威張っているようだが、いったい、お前はいかなる道を修しえたというのか？」
悟空曰く「東勝神州傲来国華果山に石卵より生まれたるこの俺の力を知らぬとは、さてさて愚かなやつ。
俺はすでに不老長生の法を修し畢り、雲に乗り風に御し一瞬に十万八千里を行く者だ。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:52:25.40

如来曰く、「大きなことを言うものではない。十万八千里はおろかわが掌に上って、さて、
その外へ飛出すことすらできまいに。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:54:18.54

「何を！」と腹を立てた悟空は、いきなり如来の掌の上に跳り上がった。
「俺は通力によって八十万里を飛行するのに、なんじの掌の外に飛出せまいとは何事だ！」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:56:04.38

言いも終わらずきん斗雲に打乗ってたちまち二、三十万里も来たかと思われるころ、赤く大いなる五本の柱を見た。
渠かれはこの柱のもとに立寄り、真中の一本に、斉天大聖到此一遊と墨と書きしるした。
さてふたたび雲に乗って如来の掌に飛帰り、得々として言った。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:57:20.01

「掌どころか、すでに三十万里の遠くに飛行して、柱にしるしを留めてきたぞ！」
「愚かな山猿よ！」と如来は笑った。「汝の通力がそもそも何事を成しうるというのか？　
汝は先刻からわが掌の内を往返したにすぎぬではないか。嘘と思わば、この指を見るがよい。」

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 05:58:36.81

悟空が異しんで、よくよく見れば、如来の右手の中指に、まだ墨痕も新しく、斉天大聖到此一遊
と己の筆跡で書き付けてある。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:00:24.61

「これは？」と驚いて振仰ぐ如来の顔から、今までの微笑が消えた。急に厳粛に変わった
如来の目が悟空をキッと見据えたまま、たちまち天をも隠すかと思われるほどの大きさに拡がって、
悟空の上にのしかかってきた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:05:47.41

悟空は総身の血が凍るような怖ろしさを覚え、慌てて掌の外へ跳び出そうとしたとたんに、
如来が手を翻して彼を取抑え、そのまま五指を化して五行山とし、悟空をその山の下に押込め、
おん嘛に叭吽の六字を金書して山頂に貼りたもうた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:06:47.41

世界が根柢から覆り、今までの自分が自分でなくなったような昏迷に、悟空はなおしばらく顫えていた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:08:10.55

事実、世界は彼にとってそのとき以来一変したのである。爾後、餓うるときは鉄丸を喰らい、
渇するときは銅汁を飲んで、岩窟の中に封じられたまま、贖罪の期の充ちるのを待たねばならなかった。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:08:58.48

悟空は、今までの極度の増上慢から、一転して極度の自信のなさに堕ちた。彼は気が弱くなり、
ときには苦しさのあまり、恥も外聞も構わずワアワアと大声で哭いた。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:12:00.09

五百年経って、天竺への旅の途中にたまたま通りかかった三蔵法師が五行山頂の呪符を剥はがして
悟空を解き放ってくれたとき、彼はまたワアワアと哭いた。今度のは嬉し涙であった。悟空が三蔵に
随がってはるばる天竺までついて行こうというのも、ただこの嬉しさありがたさからである。
実に純粋で、かつ、最も強烈な感謝であった。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:14:19.94

　さて、今にして思えば、釈迦牟尼によって取抑えられたときの恐怖が、それまでの悟空の・途方もなく
大きな（善悪以前の）存在に、一つの地上的制限を与えたもののようである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:14:44.90

しかもなお、この猿の形をした大きな存在が地上の生活に役立つものとなるためには、
五行山の重みの下に五百年間押し付けられ、小さく凝集する必要があったのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:15:15.38

だが、凝固して小さくなった現在の悟空が、俺たちから見ると、
なんと、段違いにすばらしく大きくみごとであることか！

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:16:29.05

　三蔵法師は不思議な方である。実に弱い。驚くほど弱い。変化の術ももとより知らぬ。途で妖怪に
襲われれば、すぐに掴つかまってしまう。弱いというよりも、まるで自己防衛の本能がないのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:17:34.49

この意気地のない三蔵法師に、我々三人が斉しく惹かれているというのは、いったいどういうわけだろう？
（こんなことを考えるのは俺だけだ。悟空も八戒もただなんとなく師父を敬愛しているだけなのだから。）

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:18:07.04

私は思うに、我々は師父のあの弱さの中に見られるある悲劇的なものに惹かれるのではないか。
これこそ、我々・妖怪からの成上がり者には絶対にないところのものなのだから。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:19:15.72

三蔵法師は、大きなものの中における自分の（あるいは人間の、あるいは生き物の）位置を
－その哀れさと貴さとをハッキリ悟っておられる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:19:32.98

なんの勝負だw

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:19:56.70

しかも、その悲劇性に堪えてなお、正しく美しいものを勇敢に求めていかれる。
確かにこれだ、我々になくて師に在るものは。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:23:45.47

なるほど、我々は師よりも腕力がある。多少の変化の術も心得ている。しかし、いったん己の位置の
悲劇性を悟ったが最後、金輪際、正しく美しい生活を真面目に続けていくことができないに違いない。
あの弱い師父の中にある・この貴い強さには、まったく驚嘆のほかはない。内なる貴さが外の弱さに
包まれているところに、師父の魅力があるのだと、俺は考える。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:24:09.91

もっとも、あの不埒な八戒の解釈によれば、俺たちの－少なくとも悟空の師父に対する敬愛の中には、
多分に男色的要素が含まれているというのだが。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:24:47.19

　まったく、悟空のあの実行的な天才に比べて、三蔵法師は、なんと実務的には鈍物であることか！
だが、これは二人の生きることの目的が違うのだから問題にはならぬ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:25:41.93

外面的な困難にぶつかったとき、師父は、それを切抜ける途を外に求めずして、内に求める。
つまり自分の心をそれに耐えうるように構えるのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:26:07.97

読める文章にしてくれや
知らず知らず勉強できたらええやん

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:26:54.55

いや、そのとき慌てて構えずとも、外的な事故によって内なるものが動揺を受けないように、平生から
構えができてしまっている。いつどこで窮死してもなお幸福でありうる心を、師はすでに作り上げておられる。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:27:37.03

だから、外に途を求める必要がないのだ。我々から見ると危なくてしかたのない肉体上の無防禦も、
つまりは、師の精神にとって別にたいした影響はないのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:28:46.63

悟空のほうは、見た眼にはすこぶる鮮やかだが、しかし彼の天才をもってしてもなお打開できない
ような事態が世には存在するかもしれぬ。しかし、師の場合にはその心配はない。師にとっては、
何も打開する必要がないのだから。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:29:35.37

悟空には、嚇怒はあっても苦悩はない。歓喜はあっても憂愁はない。
彼が単純にこの生を肯定できるのになんの不思議もない。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:30:33.47

三蔵法師の場合はどうか？　あの病身と、禦ぐことを知らない弱さと、常に妖怪どもの迫害を受けている日々とをもってして、
なお師父は怡しげに生を肯われる。これはたいしたことではないか！

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:34:22.95

　おかしいことに、悟空は、師の自分より優っているこの点を理解していない。ただなんとなく
師父から離れられないのだと思っている。機嫌の悪いときには、自分が三蔵法師に随っているのは、
ただ緊箍咒（悟空の頭に箝められている金の輪で、悟空が三蔵法師の命に従わぬときにはこの輪が
肉に喰い入って彼の頭を緊め付け、堪えがたい痛みを起こすのだ。）のためだ、などと考えたりしている。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:34:26.24

ワイ読める小説がロードス島戦記だけなんや
頼むでほんま

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:36:31.46

そして「世話の焼ける先生だ。」などとブツブツ言いながら、妖怪に捕えられた師父を救い出しに行くのだ。
「あぶなくて見ちゃいられない。どうして先生はああなんだろうなあ！」と言うとき、悟空はそれを弱きものへの
憐愍だと自惚れているらしいが、実は、悟空の師に対する気持の中に、生き物のすべてがもつ・優者に対する
本能的な畏敬、美と貴さへの憧憬がたぶんに加わっていることを、彼はみずから知らぬのである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:37:59.97

　もっとおかしいのは、師父自身が、自分の悟空に対する優越をご存じないことだ。
妖怪の手から救い出されるたびごとに、師は涙を流して悟空に感謝される。
「お前が助けてくれなかったら、わしの生命はなかったろうに！」と。
だが、実際は、どんな妖怪に喰われようと、師の生命は死にはせぬのだ。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:39:16.20

　二人とも自分たちの真の関係を知らずに、互いに敬愛し合って
（もちろん、ときにはちょっとしたいさかいはあるにしても）いるのは、おもしろい眺めである。

**それでも動く名無し** · 2022/06/27(月) 06:41:02.59

　およそ対蹠的なこの二人の間に、しかし、たった一つ共通点があることに、俺おれは気がついた。
それは、二人がその生き方において、ともに、所与を必然と考え、必然を完全と感じていることだ。
さらには、その必然を自由と看做していることだ。