にわかに存在感が増してきた。 昨14日の広島戦。
この日も巨人の4番に座った中田翔(33)が、四回に先制の2ランを左翼スタンドに放り込んだ。これで、チームでは2004年の小久保裕紀以来となる4番デビューから4試合連続打点。
4戦2発と往時の迫力が蘇りつつあるのは喜ばしいが、「中田が打てば打つほど、ベンチにとっては悩ましい問題が浮上する」と球団OBがこう続ける。


「坂本(勇人=33)のコンバート問題とリンクしますからね。腰痛で登録抹消中の坂本は、左わき腹を痛めて開幕に間に合わず、5月にも右ひざのじん帯損傷で離脱した。いよいよ、負担の大きいショートからのコンバートを考えなければいけない状態です。

前回の抹消から昇格する際、原監督からは一塁での復帰を打診されたことが明らかになっている。これは坂本本人が拒否してコンバートは棚上げになっているものの、腰痛で再び戦線を離脱したことで、少なくとも来季のコンバートは待ったなし。

現実的には坂本を遊撃から三塁、岡本和真を三塁から一塁に回すのがベストでしょう。中田が復活を果たしても、坂本と岡本のポジションが優先されるのは間違いない。

中田を左翼に回すプランが浮上するはずです」 折しもこの日、坂本が二軍の西武戦で8日ぶりに実戦出場、39日ぶりの遊撃守備に就いた。一部では坂本の方に外野コンバート説が囁かれているが、「いきなり内野から不慣れな外野では負担軽減にならない」とは前出のOBだ。


中田は日本ハム時代に494試合で外野を守った経験がある。今年5月には、首脳陣からの指示で試合前に左翼での守備練習を行っている。直後に控えていた交流戦での攻撃的布陣を見据えた左翼練習ではあったが、来季の予行練習になる可能性が高そうだ。