米国で4度目の移籍となった。

パイレーツから事実上の戦力外通告を受けた筒香嘉智(30)が日本時間8月16日、ブルージェイズとマイナー契約することが判明したのだ。同球団傘下3Aバファローで9月まで行われるマイナー戦に出場し、メジャー昇格を狙うことになる。

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「筒香がメジャーで戦力外通告を受けるのは3度目です。20年から2年総額1200万ドル(約13億1000万円)の契約を結んでいたレイズは、打撃不振から翌年5月に筒香へ戦力外通告をします。直後にドジャースへ移籍しますが、6月にはマイナーに降格。昨季途中から加入したパイレーツでも腰の痛みに苦しみ、今季は打率.171、2本塁打と低迷していました」(スポーツ紙担当記者)

筒香は日本を代表するスラッガーだ。プロ入りしたベイスターズでは、10年間で通算205本塁打を記録。侍ジャパンでも4番を務めた。なぜメジャーで実績を残せないのだろう。

◆見破られた致命的な弱点

「メジャー投手の豪速球に、押されるからです。筒香は日本にいた時から変化球や失投を狙うのがうまい打者でしたが、メジャーでは速球にタイミングが合わず三振する場面が多く見られました。ライトへ引っ張るクセも見破られていた。たまに良い当たりがあっても、相手チームは右方向へ特別なシフトをしているので簡単に捕られてしまうんです。

もちろん獲得した各球団の首脳陣も、筒香の弱点を理解していました。ただ日本の一流打者なので、アジャストできるだろうと期待していたのでしょう。さすがに、ここまでヒドいとは……。筒香も必死だと思いますが、マジメな性格のため思い悩みスランプに拍車がかかっている状態です」(同前)

筒香の未来は決して明るくない。3度の戦力外となり30歳を超えた選手に、メジャーが再び目をつけるとは考えにくいだろう。レッズから事実上の戦力外通告を受け、広島で活躍している秋山翔吾の例もある。日本球界復帰が、現実的な選択肢だと思うのだが……。

「筒香は、マイナーや独立リーグでも米国で歯を食いしばる覚悟のようです。筒香としても、日本へ戻りづらいでしょう。19年オフのファン感謝デーで、ベイスターズのファンへ『メジャーに挑戦します!』と高らかに宣言した手前もありますから。メンツが立ちません。

15年オフにはドミニカのウィンターリーグに参加し、決して恵まれたとは言えない施設で泥まみれになった経験もあります。厳しい環境に慣れているんです。将来的には日本へ戻るかもしれませんが、少なくとも今年いっぱいはマイナーでもがきメジャー昇格を目指すと思います。筒香は、楽な道を安易に選ぶような選手ではありませんから」(同前)

3Aは環境が劣悪で、食事の質も悪いため「ハンバーガーリーグ」と呼ばれる。常々メジャーでのプレーを「夢」と語っていた筒香。その夢の再実現を目指し、あえて苦難の道を選ぶ。