キャッチャーマスクまでつけてシートバッティングで捕手のポジションに入っていた浅野に向かって、長尾監督が叫んだ。

「のぉ翔吾! お前、座ったままセカンドに投げられるよな?」

 振り向いた浅野は元気な声で、「はーい!」と返す。

 高校での3年間、公式戦で捕手として出場したことはないが、練習試合でマスクを被ることは何度かあったという。浅野が明かす。

「もしプロでキャッチャーをやれと言われたら、そこはしっかり挑戦していきたいと思っています。中学校ではずっと守っていたし、自信? 普通くらいです。外野以外にもサードは守っていたし、ピッチャー以外なら色々できますよ」