山田、坂本、菊池涼の3人のこれまでの侍ジャパンでの活躍は改めて記すまでもない。

 山田は14年の日米野球で初めて代表入り。プレミア12、WBC、五輪など数々の大舞台に出場し、すべての大会で本塁打を放った。昨年の東京五輪でのMVP獲得も記憶に新しい。代表では1番に入る機会も多く、核弾頭として打線を牽引してきた。

 しかし、昨季はキャプテンとしてリーグ2連覇に貢献したものの、打率は規定打席到達年ではキャリア最低の.243。日本シリーズでも、オリックス投手陣のストレートにやや苦戦を強いられ、3度のトリプルスリーを獲得したスーパースターにはやや陰りが見える。

 坂本は12年に初めて代表入り。13年のWBCからは国際大会の常連メンバーになった。17年の第4回WBCでは出塁率.481と活躍し、昨年の東京五輪では決勝を除く全試合で打点を挙げて大会ベストナインにも輝いた。チームでも、16年にセ・リーグの遊撃手としては初の首位打者を獲得。19年には40本塁打、20年には通算2000本安打を達成している。

 だが、昨季は相次ぐ故障に私生活の問題も重なって力を発揮できなかった。出場83試合はレギュラー定着後最少で、4年連続&計7度受賞していたベストナインの座も明け渡した。

 だが、今回のWBCに関してはこれまでと事情が違う。

 山田が守る二塁手のポジションには、若い牧秀悟(DeNA)が台頭。浅村栄斗(楽天)も控え、彼らが2ポジションを守れる分の遅れをとっている。加えて、大谷の参戦も少なからず影響を与えている。というのも、大谷が野手として出場する場合はDH固定起用が濃厚だ。そうなった場合、過去の国際大会でそうしていたように、DHを複数選手で回すということができなくなる。

 山田は一塁を守った経験もあるが、浅村、牧に比べて経験値が少なすぎる。大谷をDH固定と考えた場合は牧、浅村の方が使い勝手がいい。菊池に関しても同じで、二塁しか守れないために起用が限られてしまう。

 一方、坂本は本来なら落選は考えにくい選手だ。そもそも現在の日本球界は遊撃手の人材が不足している。源田と対になる右打者で、経験も豊富な坂本の存在感は貴重なのだが、いかんせん、昨季のパフォーマンスが悪すぎた。故障や私生活の問題で調子を落としただけなのか、それとも選手としてのピークを過ぎたのか。判断がしづらいのである。

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