楽天・田中将大投手(34)が7日、契約更改交渉に臨み、NPB日本選手最高年俸だった出来高を含む9億円からほぼ半額の年俸4億7500万円プラス出来高払いでサインした。雪辱の今季へ、あと10勝に迫った日米通算200勝、13年以来の日本一達成とともに、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を改めて熱望。尊敬するパドレス・ダルビッシュ有投手(36)との共闘への思いを口にした。

 厳しい現実を受け止めた上で、視線は前に向いている。田中将は総額で約半減にもなる大幅減俸に「(21年は)4勝、(昨年は)9勝。球団の期待には届いていないし、ファンの方々の期待を裏切ってしまって物凄くふがいない」と偽らざる心境を吐露。だが、このまま終わるつもりはない。

 巻き返しに向けて「この2年間と同じようにやっていても同じようにしかならない。大きく変えてやっていく」と強調。大きなモチベーションとなっているのが、WBC出場への強い思いだった。「候補には残っているので、自分としては選ばれたい」と侍ジャパンの1次登録50人に選ばれていることを明かした。その上で改めて「どんな役割でも自分のベストを尽くしたいので、呼ばれてもいいように良い準備をしている」と強い意欲を示し、3月9日の日本の初戦を念頭に調整を続けている。

 6日に先行発表された侍ジャパンメンバー12人。ずっと背中を追いかけてきた兄貴分の名前があった。「素晴らしい選手がたくさん選ばれている。でも、僕の中ではダルビッシュさんの存在が一番大きい。若い時からそういう存在なので」。世界一に輝いた09年の第2回WBC以来、14年ぶりとなる共闘を熱望している。

 対戦国のメンバーも続々と発表され、大舞台へのイメージは日に日に大きくなっている。7年間、ヤンキースでプレーした経験から米国代表については「間違いなくこれまでのWBCに出てきたチームよりワンランク上の選手が集まっている印象」と語った。最終メンバーは1月下旬に発表される。「チームの駒としてどこでもやる気持ちでいる。チームに貢献したい」。ダルビッシュとともに日の丸を背負う自分を想像しながら“世界仕様”の調整を続ける。(重光 晋太郎)