野球日本代表・侍ジャパンは21日、宮崎キャンプ第2クール初日を迎え、初めてライブBPを実施した。ダルビッシュ有投手(MLBパドレス)と村上宗隆選手(ヤクルト)の対戦に注目が集まったなか、近藤健介選手(ソフトバンク)も持ち前のバットコントロールで5球目を中前へ弾き返した。

 日米通算188勝を誇る右腕の登板とあって、チーム内では対戦を熱望する声が続々と上がった。近藤は「年上の僕が優先的に立たせてもらった」とニヤリ。岡本和真(巨人)らダルビッシュに封じ込まれた選手たちも口々に「楽しかった」「いい経験になった」と夢心地の様子だった。

 近藤は「みんな話していたんですけど、この浮ついた気持ちはなんなんだろうと。そこにダルさんの凄さがあるなって。打席終わった後にフワフワした感じがしてたんで、光栄な感じと不思議な感じと、あっという間に終わっちゃったなと。もっと立ちたかったです」と、名残惜しそうに振り返った。

 わずか5球の対戦ではあったが、メジャー級の凄みも体感。カウント1ストライクから内寄りに来たボールに、思わず声が出た。

 「フロントドアのツーシームだったんですけど、見たことない軌道で、本当にインコースのストレートの角度で見逃したら(実際は)真ん中くらいだった。これが本場のツーシーム、フロントドアなんだなというのは感じましたね」

 日本ハム時代の2016年、日本シリーズで対戦した黒田博樹投手(当時広島)の球筋の記憶を重ね、「久しぶりにそういうボールを見ました」と、日本球界ではなかなか目にしない“メジャー流”の魔球に酔いしれた。