立浪「トレードな。横浜が欲しがってるから」

伝えられた事実に、思いのほか驚きはない。淡々と諭すような指揮官の口調は、むしろすっと胸の奥に届いた。

立浪「ずっと感動やったな。なんでそんなに感動なんや?去年の秋から言ってきたけど、お前原口な」

 異論はない。変われなかったのは自分。むしろ、一野球人として環境を変える決断をしてくれた立浪監督の“勘違い”に感謝した。その場で多くの言葉を発することはせず、「押忍」と一礼して監督室を出た。