ロッテ山口航輝外野手と藤原恭大外野手は18年ドラフトの同期で、ともに大阪出身の22歳。互いを意識しつつ、正外野手争いをしている。担当記者ではないものの、入団時から両選手の囲み取材に入る機会があった。毎度感じることがある。

 山口は話がとても論理的だ。例えば2月19日、ヤクルトとの練習試合後。

 好不調の波をいかに減らすかという話題で「不調になった時、戻れる原点が今年はあるので、あんまり怖さはないっていうか。風船(を膨らませながらスイングするトレーニング)とか、それがうまいことでできていれば打てる。悪くなったらそこを重点的に戻せばいい。なので今年は大丈夫かなと思います」。「自分の去年までのレベルより上の考え。もう1つ上のランクでやっていきたい」とも。

 おそらく考えを言葉に落とし込んで消化するのが得意なタイプで、練習の意図などもすらすら説明する。

 対して藤原の話し方は感覚的だなと思う。例えば2月15日の糸満で、ヤクルト村上にあいさつに行った際、何か教わっていたようだがあれは? と聞いた時の答え。

 「肩のテイクバックなんですけど、こうとか、こうとかじゃなくて、そのままなるべく、この、脇腹っていうか。こう使って、バッティングするっていうか。テイクバックとった方がいいよっていう感じで言われました」。

 説明によく身ぶり手ぶりを交える。録音のテープ起こしをすると指示語や擬音語が多い。同じ日に取材に来ていた別の記者も「長嶋さんみたいだね」と、同じ感想を抱いていた。

 個性なのでどちらがいい悪いの話ではないし、山口が理論派で藤原が感覚派とも限らないのですが。同じ練習をしても、2人に見えるもの、得るものにはギャップがありそうだなと。頭の中をのぞいてみたいなと思った今キャンプでした。【遊軍 鎌田良美】