侍ジャパンがWBCで14年ぶり世界一に輝いた裏にはNPB12球団のバックアップがあった。特に大谷翔平投手(28=エンゼルス)とラーズ・ヌートバー外野手(25=カージナルス)の合流時に調整がスムーズに進んだのは中日が果たした役割が大きかった。

【写真】立浪監督からプレゼントされたシャンパンを披露する中日・高橋宏

 日本代表と中日は3、4日にバンテリンドームで強化試合を実施。実戦登板不足のダルビッシュのために2日の合同練習では中日打線相手のライブBP、3日の試合後には本番でのタイブレークを想定した無死二塁スタートの延長戦も行った。これらはすべて侍ジャパンからのリクエストに中日側が応えて行われたものだ。

 大谷とヌートバーがチームに合流した3日は、中日側がウエートトレーニング場や打撃練習ができる一塁側の室内練習場を開放。「いつでも自由に使ってください」と侍ジャパンに伝えていた。「大谷君とヌートバーが(打撃練習場のそばを)通り過ぎていったので、打っていたんだと思います」(球団関係者)と2人はチームに合流後すぐにバンテリンドーム内で汗を流していたという。

 栗山監督は「実戦がなかなかできないというスケジュールの中で立浪監督には感謝です。〝できる限りのことはします〟と前々からいろんな準備をしてくれた。自分のチームのことしか考えづらいのに、ジャパンのためにあれだけいろんなことをやってくれて感謝しかない。そのぶんわれわれも頑張らなくてはいけない」と立浪監督の気遣いに感謝感激。「日本のプロ野球を代表して戦ってくれるのですから協力しないわけがない」(首脳陣)という中日側の思いに侍ジャパンも見事、世界一という結果で応えたわけだ。

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