【巨人】「そう簡単に戻れないよ」吉川尚輝を発奮させた原監督8・31の「非情采配」

 巨人は6日のヤクルト戦(神宮)に2―4で逆転負け。リーグ4位から逆転でのCS進出へ、痛い黒星を喫した。主力の離脱が続くチームで明るい材料は吉川尚輝内野手(28)の復活だが、そこには原辰徳監督(65)の老かいな「操縦術」があったという。

 なかなかチームが波に乗れない理由の一つが主力の相次ぐ離脱。そんな苦境で明るい話題は副キャプテン・吉川の復調だろう。この日は「6番・二塁」で出場すると、3打数2安打1死球で3出塁。1盗塁も決めるなど躍動し、打率も2割7分4厘となって、開幕5試合目以降で今季の最高打率となった。

 起爆剤となったのは原監督による〝非情采配〟も一因だという。先月23日に「特例2023」で登録抹消となった吉川は、同29日の広島戦(京セラ)から復帰したが、指揮官は「そう簡単には(定位置に)戻れないよ? いつでも席があると思ったら、世の中というのは分からないよ? ちょっと休んでいる間に『あれ!?』みたいな。それが世の常よ」と危機感をあおった。

 そして3連戦の2戦目まで先発出場させ、結果は6打数1安打。完調はまだ先と判断すると、吉川の地元・岐阜で行われた3戦目(31日)は出場させなかった。とはいえ、吉川は同球場との相性が良く、2年前のヤクルト戦で3安打4打点と活躍。本人も「出られるか分からないですけど、楽しみです」と心待ちにしていたのだが…。

 地元に錦を飾る機会すら与えなかった〝非情采配〟について、球団関係者は「尚輝と相手先発・床田との相性(今季5打数無安打)もあっただろうけど、原監督は尚輝がどうしたら発奮するかを熟知している」と分析。これが奏功したようで、吉川は1日のDeNA戦(横浜)からスタメンでは4戦連続でマルチ安打をマークしている。

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