正しい情報を提示すれば、陰謀論やデマの拡散は抑えられるのか?

残念なことに、デマや陰謀論を信じる人々に、ただ“正しい情報”を提示するだけでは、彼らの信念を変えることは難しいという。
それはなぜか? 
情報の妥当性の判断には、個人の内面的な部分、つまり育った環境や経験が大きくかかわってくる。
陰謀論者が信じる情報が内包する社会的価値観とは、個人のアイデンティティというコアな部分に触れるものであり、自分が生きるための指標としてきた「世界観」を揺るがす“事実”を、人は簡単には受け入れることができないからだ。

ゆえに、陰謀論者がSNS上で相反する情報を目にした場合、それらは無視されるか、自分の価値観を守るべく保守的になる。
証拠に乏しい陰謀論やデマに信念を置き、その拡散に大きく関与する人たちは、認知的閉鎖(心が理解するキャパシティーに欠けていること)のなかにいる可能性がある。