■あの人はいま・・
元NGT・韓流ファッションヘルス店店主　荻野由佳さん（30歳）

2029年、紅白歌合戦。
一世を風靡するアーティスト・菅原りこの出場を、TVでじっと見つめる女がいた。自身も菅原とともにアイドルデビューした、荻野由佳さんだ。

「凄いですね…」感嘆しながらも、どこか寂しげだ。
「今でも時々夢を見るんですよ。私があの舞台に立つ夢をね。こんなことを言ったら笑われますけどね」

●難関オーディションを突破してNGT48に所属。不動のメンバーとして一部のコアなファンから熱狂的な支持を獲得したが、総選挙での不正や山口真帆さん（現在は研音所属の女優）をいじめていた事などが表沙汰になると人気は急降下。
ホリプロ退社後は自らのルーツである韓国に活躍の場を求めたが一度地に堕ちた人気を回復する事はできず2年で解雇された。
その後再び日本に渡り、MUTEKIでデビューしたが、ここでも目立った活躍はできず28歳で芸能界から引退した。

引退後は韓国各地でのフーゾク修行を経て、今は埼玉県で日本初の韓流ファッションヘルス店を営む傍ら、ザリガニ釣りの先生を勤めている。

●「オソオセヨ(いらっしゃいませ)！」。東武鉄道スカイツリーラインせんげん台駅東口から歩いて30分。
「本場韓国の味 ファッションヘルスとかげ」のオレンジ色の暖簾をくぐって店内に入ると、チマチョゴリに太極旗を頭に巻いた荻野さんが威勢のいい流暢な韓国語の掛け声で迎えてくれた。

「４月にオープンしました。暖簾の『とかげ』という文字はアイドル時代のファンであるツカニさんにわざわざ九州からお越し頂いて書いてもらいました。
開店に合わせてフーゾク誌でも取り上げてもらったおかげで、県外から足を運んでくださるお客さんが多かったのは嬉しかったですね」

●とはいえ、苦労も尽きないという。
「自称フーゾク通は飛行機に乗って札幌まで出かけるでしょ。
私が修業した釜山の人気店『モルゲッソヨ』のサービスは勿論生ですから、フーゾクが素股だと信じ込んでる日本人にはモノ足りないようなんです。
それで怒られちゃったこともあるけど、それも修業のうち。
私の夢は日本中に本物の本場韓国のローションプレイを広めることですから、それまでは我慢、我慢です」

●かつての「夢」だったアイドルへの思いを聞かれると――。
「菅原も山口も長谷川も、私より人気度が下だったんだけどな」とおどけたが、すぐに真顔になって続けた。
「総選挙順位4位が才能だと思っていました。総選挙圏外の菅原が今じゃ…歯がゆいですけど。
もうアイドルに未練はありません。今はフーゾク店を経営しながら少しでも収入がある男性を捕まえて結婚する事が、元アイドルとしての私の夢です｣

その目はずっと遠くを見据えていた。

（写真）自家製スケベ椅子を手に笑顔の荻野由佳さん