-スリーホワイトシスターズ物語 聖籠慕情編-

今日は菅原がセリフ覚えの合間の休みに
聖籠の幼なじみを自宅に招いてもてなそうとしている

幼なじみ「やあ、りこ、こんにちは、今日はりこの手料理をご馳走になりにきたよ」

大した物は出せないけどと菅原が断りながら料理をテーブルに並べていく

菅原「これが、あなたにおそわった、せいろうさんのかたつむりのつぼやきと、おーぶんでこうそうやにんにくとやいたものよ」

蝸牛はわざわざ菅原が聖籠に行き捕獲した物を
今日、調理したので鮮度抜群だと説明する

幼なじみ「美味しそうだね、だけど聖籠蝸牛料理は僕と君だけの秘密の料理にしようよ」

幼なじみの耳には聖籠で蝸牛だけが絶滅の危機?
とのローカルな噂が聞こえていたので
菅原に気が付かれない様に蝸牛捕獲を止めさせる様に仕向ける

菅原「わかったー、あなたとりこだけのひみつのりょうりね、これからはじょうしょくはしないで、とくべつなときにつくるね」

幼なじみと菅原の二人で数百匹は使ったであろう蝸牛料理を平らげていく

蝸牛料理が尽きたので菅原がデザートに聖籠産さくらんぼ料理を並べ出す

菅原「これがあみやきさくらんぼ、これがさくらんぼのたたき、これがさくらんぼのてんぷらよ、どうぞめしあがれ」

幼なじみが、りこは料理上手だから結婚したら
良い奥さんに成れそうだねと世辞を言うと
真に受けた菅原が喜びのあまり涎をだらだら垂らしだす
感情表現を食欲でついつい表す菅原を見て幼なじみが慌ててお手拭きで菅原の涎を拭き取る

幼なじみ「さて、もっとりこと居たいけど、僕にも予定が有るから、そろそろ聖籠に帰るよ、美味しい料理を食べさせてくれてありがとうね」

菅原がもう帰るの?たまには泊まっていきなよと引き留めるが

幼なじみ「本当に、済まないね、聖籠で僕の仕事を待っている人が居るんだよ、だから帰らないとね」

菅原「うん、それならしかたないね、りこもセリフをおぼえるしごとをしてるから、おしごとはたいせつ」

菅原は天然だから疑わなくて助かると、内心では思いながら幼なじみは菅原宅を退出する

菅原から見えなくなるほど離れると幼なじみの姿がだんだん薄れて消え始める

幼なじみ「りこに産み出されたイマジナリーフレンドから、人工精霊にまで進歩出来た、恩返しは僕が無に還るまで続けさせて貰うよ」

微笑みながら呟く幼なじみの姿はもうそこには無かった




んてことー