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-スリーホワイトシスターズ物語 これで終わりと思うなよ編-

全さくらんぼ農家が泣いた日の章 後日談


自宅で極めて貴重なセイロー産さくらんぼを大量に使った自作創作料理を

口の脇からポロポロと溢しながら貪っているマックスバカ浦の会のSの背後から
Sのセイローシティーの幼なじみの、しゅっとした青年が声をかける

青年「ねえS、YさんとHさんはSを赦してくれたよ、良かったね、それとSの代わりにセイロー産さくらんぼを、お土産として渡したら、物凄く感謝しながらSにお礼を伝えてと言いながら帰ったよ」

S「いつもありがとう〇〇、まだ、せいろーさん、さくらんぼりょうりは、たくさんあるから、〇〇もいっしょにたべよーよ」

天然な故かすぐに嫌な事は忘れてしまえるSを見て安心した青年は

Sの隣に並んで座り込み、少し個性的に過ぎる味わいのセイロー産さくらんぼのアヒージョをスプーンで口に運びながら

Sがちょっと嫌がるかも知れない事を爽やかに話し出す

青年「ところでS、Sのセイロー産さくらんぼ料理はとても美味しいけれど、いささかカロリーが高すぎないかな?」

バターや羊羮を好きなだけ棹食いしても、体型も体重も目に見える変化のほとんど無いSにとり

カロリー?それはどんな食べ物なのくらいの認識なので首を傾げる

青年「YさんとHさんはね、Sの作る料理の味ではなくて、カロリーの高さが気に入らなくて、これでは食べられないわと怒っていたんだよ」

Sの頭の中がカロリー?カロリー?カロリー?とぐるぐる回り混乱しているのを知りながら
青年がSの目をしっかりと見詰めながら、Sの内より生まれた己だからこそ持っている深い精神の繋がりを通して暗示をかける

S「うん、わかったー、これからは、せいろーさん、さくらんぼは、なまでだけたべるねー、かろりーがひくて、たのしー、なまでなかよしー」

青年は何とかSを説得出来た事を喜びながら、今日はたいへんに疲れたからSの内にもう還ろうと決めた

青年「それじゃあS、僕は明日の仕事が有るから、この辺で帰らせて貰うね」

Sはせっかく来てもらったのに、たいしてお構いもしませんで悪いわねと、口の脇からポロポロとセイロー産さくらんぼの煮付けを溢しながら青年に、さよならの挨拶をする

いつもならSから十分な距離を置いてから消える青年であったが
疲れからか今日はS宅を出た玄関先でその姿を空気に溶け込ませていった


終わります