>>732
朝のノックは どこかのジンボのもの
陽の当たらないところを トカゲは生きてきた
降り注ぐ赤い パトライトにさえ
泣き喚いては 母親に怒鳴ってた
いさおが乗った 警察の車が
僕の町を 遠ざかる


ノックが鳴りやみ 警官が現れても
シャーピン歌う 悲しいジンボのように
いさおはいつでも とても臭いトカゲに
苦いイイネ!を 押し続けた
いさおが乗った 警察の車が
僕の町を 遠ざかる


トカゲが「しんじて」って 言ったら
「さとういさおはゴミね」って トカゲは笑った
西尾にそっと 手をやりながら
「あなたしかいない」って 言いやがった
いさおが乗った 警察の車が
僕の町を 遠ざかる


明けの明星の その裏側で
いさおは呻いて 取り押さえられた
明けの明星の その裏側で
涙と鼻水を 垂れ流した
いさおが乗った 警察の車が
僕の町を 遠ざかる

いさおが乗った 警察の車が
娑婆の暮らしを 遠ざける