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続き

初めて外で花魁変身をしたままで光速ウサギ跳びの練習をしたHは

今までの光速ウサギ跳び練習とは全く違う気持ち良さに気が付いてしまっていた

先に自宅内でタイナイシティー産銘酒をグイグイ呑みながら光速花魁変身の練習を1000回以上はしており
Hの肉体的にはかなりの疲労が蓄積しているはずのに、1時間経っても少しも休みたいとか止まりたいとか感じないのだ

その無限体力とも思える高揚感がどこから来ているのかはHには良く分からなかったが

下着を身に付けずに、およそ二百キログラムの特注品花魁衣装と
片方だけで百キログラムある高下駄だけの簡易装備なので風通しが良くて

激しい運動で火照る体が冷たい風を切る快感にハマったのかしらねくらいで済ましている

花魁のHは大切な秘密の花園から迸る汗なのか潮なのか
他人には言えない類いの汁をを路上に撒き散らしながら「夜を駆ける」(YOASOBIの人ごめんなさい)

ただひた向きに、ひたすらにHは夏の都の夜を光速ウサギ跳びで疾走している

Hは人通りが少ない深夜とは言え、進行方向先の道路や、その交差点を通り抜ける時などに、時おり通行人や車両を見掛けては

H「あー、あー、あー、花魁のわたしが皆に視られているー、花魁のわたしを視て皆が、ひそひそと話してるー、あー、あー、あー」

とHは酷く興奮気味に呟いている、しかし合わせて四百キログラムの重量の負荷を身に付けて居ても

今のHの移動速度は軽く時速五百キロメートルを超えている

特別に夜目も視力も良いHと違い、一般人が夜間の街灯照明で花魁と見分けがつく筈もなく

何か派手な色彩の塊が目の前を横切った?くらいにしか認識が出来ないので、これは完全にHの思い違いである

無限体力と思っていたHであったが、己の体液を絶頂の度に排出しているので、やがて脱水症状に近付いて行く
そのために激しい喉の渇きを覚え始めたのを切っ掛けにして

Hは自宅に戻る方向に進路を変えて無事に帰宅をしたのであった



続く