>>33
続き


そろそろ軽く寝たAちゃんの機嫌が治った頃だろうとAちゃんマネージャーが楽屋に入ると

何と何と何とAちゃんが見知らぬ女性とディープキス(本当は数ミリ離れた寸止め)をしながら盛り上がり過ぎたのか、くるくる回る踊りをしているではないか?!

焦りと驚きを隠せないままAちゃんのマネージャーが、熱き接吻をしながらくるくる回る二人に、そろそろ収録が始まるからもう止めて下さいと声をかけても、二人からは一向に止める気配が微塵も感じられない

これは互角の力比べの二人のどちらか片方が先に力を抜けば、一気に勝負が決まると二人ともに知っているので止められないからである

またSは口内に大量のセイローシティー産のマスカット葡萄の実で塞がれていて話せず
AちゃんはAちゃんで何としてもSの頭を両手で引きちぎって、かち割る事に集中し過ぎて喋るやる気に力を回す気が一切ない

この二人をどうしても止めたいのならば、くるくる回転する二人の間に強引に身を割り込ませて二人を離すしか手はないのであるが

とてもとても非力な普通の女性のAちゃんのマネージャーには危なくて怖くてそんな真似は出来ない

そこへSを探すSのマネージャーの大きな声が遠くから聞こえてくる
AちゃんのマネージャーがAちゃんと熱いキスをしている女性を改めて見れば共演者のSではないかと分かり

Aちゃんマネージャーは急いで楽屋を出てSを探す声を便りにSのマネージャーの下に行き
楽屋で起きている出来ごとを説明して来てもらうが
Sのマネージャーが二人に止める様に呼び掛けても一向に止める気配が微塵もない

二人のマネージャーは収録時間まであと僅かなのに、何で楽屋で二人で盛っているのかと頭を抱える
これが世間にバレたらスキャンダルのゴシップですよねと、マネージャー同士でまた頭を抱える

そろそろ迎えのスタッフが来るので、この熱いラブラブラブラブラブラブシーンを目撃されたら何と説明して良いのやらと、二人のマネージャーが途方にくれる

その時、SのマネージャーがSについてどうにもならないほど困った事が起きたら
ここに電話しなさいとチーフマネージャーに教えられた携帯番号を思いだしたの、で誰でも良いから助けてと祈りながら急いで電話をする

KO会の地下室でファンクラブの企画を練っていたYはSのマネージャーから携帯電話で、SとAちゃんが起こしている厄介事を聞き速やかな事態の解決を計ると約束をする

その為にYは全集中してショコラの魔法のオクギの中のオクギを複数同時展開で使わざるを得なくなり
魔力の急激な消耗により地下室の床に倒れてグッタリしながら休養をとり魔力回復の足しにしていた

Y「あー、死ぬほど疲れたー、愛し合うSとAちゃんには悪いけど二人とも体調不良で収録はキャンセルになったように、マネージャーやスタッフも含めて記憶の改竄をして、時間も過去に戻しといたから、あとはよろしくー、少し寝るわー」

こうして仕事に穴は空いたがスキャンダルゴシップは避けられたSとAちゃんの初対面は歴史上で無かった事になった
いずれ機会が有れば今度はSとAちゃんが仲良く共演出来る事でしょう


終わり