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続き


Sの不幸はAちゃんに付いて全く知らないこと、そしてそれはAちゃんの不幸もまた、Sに付いて全く知らないことで初対面同士の不幸が拡大していくのが止まらない

SがAちゃんが怒髪天状態と見てとり急いで楽屋から出て行くならば、Aちゃんの怒りは悪口雑言罵詈雑言に代わりSNSに発散したりして、やがて沈静化するのだが

ここでSは退室するどころか、スリーホワイトシスターズの姉妹喧嘩の仲直りの儀をやろうと最大の判断ミスを犯す

ちなみにスリーホワイトシスターズ仲直りの儀などとふざけて名付けたのは、KO会の地下室の住人で最弱構成員にして最強の魔法使いYと、鰐の会の花魁の肉欲悪魔にして不死身の身体を持つと言われるHだった

これはYとHの二人が喧嘩を始めてしまい、だんだんエスカレートしそうな物騒な時に、何を思ったのかSが口に大量に含んだ飲み物や果物や食べ物を
二人に無理矢理に口移しで飲み込ませようとして迫ってきたのに辟易して、もう分かった分かった分かったから喧嘩は終了と宣言したのが名付けの理由である

YとHの二人共にSのことは真友として大好きだが緊急時以外の口移しは勘弁して欲しいので
さっさと喧嘩を停戦しているだけなのを、どうやらSは仲直りに有効な方法と誤解してしまった節がある

話しはAちゃんの楽屋に戻るが、Aちゃんが逃げる気配も無いSの頭を本気でかち割るために掴みかかると

その動きに合わせる様に、マスカット葡萄の実を大量に口に含んだSもまたAちゃんに踊りかかる

こうしてAちゃんはSの頭を腕力でかち割る為にSの頭を両手でガッシリと掴み

SはSでAちゃんに口内のマスカット葡萄の実を口移しせんと、Aちゃんの頭を掴んで口付けしようと顔をぐいぐい寄せていく

Sはスリーホワイトシスターズでは最弱と云えども、本気で力を出せば軽く百人力を超える怪力の持ち主である
また、そんなSと互角の力比べが出来るAちゃんもまた白痴美顔の名に相応しい凛々しい美丈夫である

力が互角で膠着状態に陥った事に焦れたAちゃんが、SがAちゃんの頭を引き寄せる力を利用して頭突きをかまそうとしたものの
それを待っていたかの様に、Sの唇がAちゃんの唇に第三種接近遭遇を果たさんとしてきたので

Aちゃんが距離を取る為にSの頭を押し返しながら、頭蓋骨ごと押し潰そうとするべく気合いを入れ直す

互角の力比べはやがて頭を抱き合う二人が口付け(本当は数ミリ離れた寸止め)しながら独楽の様にくるくる回る動きまで加わってきた


続く