━━ 最近では女性ファンも急増しています。それは意識するものですか。

つんく「ファンは常に意識はしていますよ。ただ女性ファンが増えたことに、一瞬いいなとも考えることも出来るんですけど、逆の意味で危機感は持っておかないとダメですね。単に入り込める隙間が出来ちゃったわけでもあります。
最終的には、熱狂的なオタク男子がいなくなったら終わり。彼らのためだけに作っていたわけじゃないけど、彼らの感受性は鋭いですよ。普段からちょっとモテる奴は、生身の普通の女の子となんらかの形で接するわけです。
でもオタクは、よりかわいい、より清潔、より優しい、より面白いをアイドルに求めてずーっと見ているんですよ。そういう尖った、ある種のロック感覚の鋭い連中は、楽曲もアーティストのこともよく見ているから、その目線は無視出来ないんですよね。
あとは日本だけでなく、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、どこにでも鋭い目で見てる人は世界中にたくさんいます。みんな重要なファンですね」

━━ 女子が増えたからと、そこに寄せるようになったらダメですか。

つんく「絶対ダメです、それは。マーケットから凄く離れていくと思います。女の子は逆に、相当高いかぎ分け能力を持っていて更にもっと敏感。
あっという間に好きなものも変わっていくので、そのための音楽とか、そのための何かをし始めると、途端に足元がグラグラになるでしょう」