>>103


3人が閑散とした船着き場に着くと一隻の小型の貨客船が停泊している
Sが言うには幼なじみの青年のコネで格安で運んで貰える代わりに
1日の便数は少ないのでこの時間に乗れないと次は昼過ぎその次は夕方だそうだ

前よりも明らかに賢く見えるSが続けて話すには、これから行く島は基本的に自給自足で暮らしているので
島に住む人は島時間でのんびり暮らしているよと、幼なじみの青年から聞いた話だよとSが話を締める

YとHが、あー、あのシュッとした爽やかな青年がSに島の事を紹介したのかと知り
Sにしては物事がスムーズに進むのは青年が指南したからだなと納得する

さほど待つ間もなく貨客船から船員が降りて来て乗船を促されたので
3人が乗船すると客室に案内されて航海中の注意をしてから船員は持ち場に帰っていく

3人は割り当てられた客室を眺めて、人間よりも荷物をたくさん運べる作りみたいねと部屋の必要にして十分な広さと装備に納得する

YがHもSも船酔いには強いわよねと言い、折角だから甲板で海の景色でも眺めながらお酒でも飲まないと誘う

鰐の会のメンバーからアルコールが血液のほとんどを占めていると陰口を叩かれるくらいにお酒が好きなHに異論はなく
YがSにあなたの好きなスナックも持ってきたから、お酒のツマミにしてねと言われては、Sも行く行くとノリノリである

船員の説明で島に到着する予定時刻も聞いているので、サクッと飲んで食べて過ごしましょうと3人は甲板に向かう

思ったよりも強い日差しと海風に、これじゃ御肌が死ぬるわと3人で言いながらも、並みの女性とは体の造りが違うのも知っているので構わずに小宴会は始まる

3人で酒量も食べる量もいつもよりも控えめな酒宴を過ごしていると、先ほどの船員とは違う船員がやって来て、島に近付く時に海流の激しい海域を横切りますので
転落防止のために客室に戻ってくださいと言われたので

3人は酒宴を注意されたのではなくて良かったな思いながら
船員に喜んでと意味不明は返事をしてから、そそくさと荷物を片付けて客室に入る

3人は客室の窓から海を眺めながら幾らか揺れが激しくなったかしらんとか言いながら
残りの酒を飲み干してツマミをムシャムシャと平らげていく

昼をかなり過ぎた定刻に船が島に着いたので3人は船員にお礼を言いながら下船をした