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-真ホワイトシスターズ物語番外編 話せば分かるの章-

○○はたまには献血でもするかと思い、どうせならイベント献血に行こうと決めて7は留守番をしていなさいと言うと
献血が良く理解出来ない7は私も連れてけ連れてけ連れてけとしつこいが
献血は下等生物しか参加出来ない行事だから家に居なさいと強く言うと
寝室の隅で7は亀の防御姿勢で震えながら、背中で必ず帰って来てね、約束だからねと言うと、それ以上は連れてけとは言わなくなった

全く献血くらいで大袈裟だなと思いながら献血イベント会場に着くと
やけにゴツい献血車両の前に順番待ちの列が出来ているので並んで待つ

自分の番がきて献血車両内に入ると三人の白衣の娘がいた
その中でも一番田舎娘くさいナースが私に近寄るとあなたは特別室で行いますからと言われて更に奥の部屋に案内される

残って見送る二人のナースがナースらしからぬ笑みを浮かべながら見送るのに不思議な印象を持ったが

その理由は特別室で田舎娘ナースから説明をされて分かった
目の前の田舎娘ナースに献血ならぬ献精をされてしまうのだとか
道理で特別室には医療用設備が何一つ無いわけだなと思っていると
献精を迷っていると思った田舎娘ナースがもちろん無料で終わったら高額栄養ドリンクを箱で差し上げますからとマジ顔で説得してきた

いやまあ、こんな棚ぼたを断るつもりはさらさら無いのでyesと答えると
田舎娘ナースはナースから花魁になるので少しお待ちをーとか言いながら次の瞬間には花魁に成っている

うわあ、コイツももしかして人外かとドン引きしていると
田舎娘花魁がさあさあこちらのベッドにどうぞと薦められるのとほぼ同時に

ドカーンとかウヒョーとかの少女の声と共に特別室の壁が綺麗に2つに裂けて
裂けた穴からスズがピョコンと顔を覗かせて○○居たーと言いながら更に裂け目を拡げて入ってきた

スズのいきなりの乱入に田舎娘花魁はよほど驚いたのか背中を壁にぶつける勢いで狭い室内で距離を取り

これもいつの間にか両手にバットの様な鈍器を一振りずつ握っている

スズは私を笑いながら一瞥した後に壁に貼り付いた状態の田舎娘花魁に事務的に話しかける

スズ「あなた、鰐の会の下等生物Hだよね、7に聞いて知っているよ、7に頼まれて○○を迎えに来たから連れてくよ」

私はスズにいやまだ献血が済んでないからとかしどろもどろに説明をするが

スズは私にだけ伝わる念話に替えて話す、下等生物領域で私は7の姉だからね、妹の7が○○の身を案じてぶるぶる震えながら待っているのを見たら放っては置けないしさ
念話のままスズが続ける、スズ「7より遥かに出来るスズ姉に嘘は通じないよ○○、ここだけの事にするから、○○も『献血』を無事に済ました事にして7の待つ家に帰ろう」

やはり産まれて間もないまま次元陥穽に捕まる7と違い
そんな7を見付けて救出が出来るだけの優秀なスズでは下等生物領域への理解度の深さに雲泥の差が有るのを改めて思い知る

私はじゃあそういう事でとだけ田舎娘花魁に告げてスズが入ってきた裂け目から飛び下りる
田舎娘花魁はよほどスズが怖いのだろう凶器を持っているのにスズを前に立ち竦んだままである

スズが出てくるのに少し間が有ったが出てきたスズが手に持つ分厚い封筒を見て
あー田舎娘花魁は型に嵌められたのかと気付いたが、スズに返して来いと言っても聞き入れないし逆にスズにまた説教をされた

スズ「○○からしたら理不尽かも知れないけど7は○○を指標に堕ちてきたのだから、○○には7を大切にして貰いたいね」

スズは、はいこれと鰐の会のHからむしり取った大金を○○に渡しながら
○○が7と同棲する負担の足しにして、7と過ごす時間を幾らかでも増やして頂戴と言う

それからスズは7には内緒にしてねと言いながら手を繋がれて並んで帰宅した