ハロウィーンを翌日に控えた30日夜、東京・渋谷は仮装した若者でにぎわった。韓国・ソウルでの雑踏事故を受け、警視庁は渋谷駅前のスクランブル交差点やセンター街のほか、周辺の細い路地なども機動隊員らが随時巡回し、人が1カ所に密集したり、押し合ったりすることがないように歩行者の誘導を行った。

 ホットドッグの着ぐるみを着た川崎市に住む大学2年の男性(20)は、渋谷に向かう電車の中でソウルの事故を知った。「怖いと思ったが、友達ももう来ている」ため、中止にしなかったという。「密集しないようには気をつけている」と話した。

 スクランブル交差点では何台もの警察車両が配備され、警察官がスピーカーや笛で人々を誘導する中、仮装した人々が行き交っていた。ソウルでの事故を知っているものの、行動制限のないハロウィーンを楽しみに訪れる若者が多く、時間が深まるにつれて仮装した人が増えていった。

 同級生と一緒にチャイナドレスを着ていた千葉県の高校2年の女子生徒(17)は外出を控えなかった理由を「日本なら(事故が)起こらないと思って」と話した。両親には気をつけるよう言われ、「人の多いところは避けている」と語った。

 密集には注意しながらも仮装を楽しむ人は多く、買い物に訪れた渋谷区の男性会社員(30)は「他国での事件だから、みんな気にしていないんだと思う」と話した。

 警視庁は事故を警戒し、立ち止まっての写真撮影は控えるように呼び掛けた。

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