>>119
旅行で一番の問題は7のトイレ問題なのでメインの食事はコンビニで買ったパンとオニギリを与えて済まして
残りは同じくコンビニで柿の種ピーナツ入りをたくさん買ってきて

7がトイレーと言い出す度に1つぶずつ与えては口の中で溶けるまでゆっくりしゃぶりなさいと言うと
7は生真面目に柿の種を1つぶだけしゃぶり食べてトイレを忘れてしまう

もともと7は食事などが全く必要の無い完全生命体以上の存在であるが
食事を取れば出す物は出すよなと7に訊いたことが失敗だったのだ

言ってしまえば食事をする必要性が無いのだから排泄をする必要性も無いのに
概念としての新陳代謝活動を教えてしまったので知らず知らずに7に、何か食べたら排泄と覚えさせてしまったのだった

概念として形だけ真似たので食べてから排泄までが光速で
自宅で初めて7が粗相をした時には7を風呂場にまで引き摺り倒して連れて行き
少女に良く似ただけの存在7を裸に剥いてから罵倒しながらシャワーをかけて掃除をしたものだった

それから7へのトイレトレーニングを始めてトイレが綺麗に出来ないなら7は御飯抜きですと7に言うと
7は目を黒い炭団の目にして必死にトイレトレーニングを覚えていった

物事によって物覚えの速度や確度があまりにも差が有りすぎるので、こちらはこちらでイライラのし通しだったが

強く言うと7はソレを守ろうと努力はするだけマシだったので
三交代勤務で部屋を留守にし勝ちな私と7は何とか暮らせて居たのだろう

まだフライパンで焼いている途中の7の目玉焼きを7が素手で掴もうとした時には
反射的に包丁の峰で7の手首も折れよと叩いて怒声を放って躾たものだ

あの時には意外と俺も冷静だったなと思い返すのは、包丁の刃の側で7の手首などを強く叩けば刃が欠けてしまいかねないからである

最初の何日間か7と一緒に食事をすると私の箸は何組も欠けて使えなくなったものだった

7に食事のマナーを教えるのについ怒ってしまい7の目や鼻を激しく箸で突いては、箸が折れたり砕けたりラジバンダリしたのだ

ところで、しゃぶらせるなら柿の種ではなくて飴でも良いと思う人も居るかも知れないが
ピーナツ入り柿の種の優秀な点は柿の種を7がしゃぶり尽くすと
次は舐めてもなかなか溶けないピーナツが待っているからである

しかし時間はかかるがピーナツもしゃぶり続けると溶けて消えるのは7に教わったが

次に乗り換えると後は乗り換えなしで温泉町にまで着くので
7のトイレは次の乗り換え駅で済ますかと思いながら

ピーナツを口の中で転がしながら下品な音をピチャピチャたてている7に
もっと静かに舐めなさいとだけ言って、まだピーナツだけがたくさん残った袋を渡す

ピーナツを舐めずに噛んだら昼御飯も晩御飯も抜きですと言い聞かせると
7はまた瞬間的に黒い炭団のような黒い穴の目を見せてこちらを見詰めてから

7「うん、◯◯と一緒に御飯食べたいから、7は噛まないで舐めて食べるね」
と気持ち悪い割りには真面目な事を言う

少し寝るからと7に告げてから私は終点の乗り換え駅まで居眠りをする事にした