>>85
存在7に取り憑かれてから季節が一つ二つと巡り、そろそろ朝晩は肌寒くなってきたので
7自体はとにかく頑丈なので暖かい格好など全く必要がないが、近所で万が一に人目に触れる時に違和感を持たれない様に暖かい衣装を幾組か買ってやった

それからせっかく教えてやった蟲弄りも寒くなると蟲の命に関わるから控えなさいと言うと
7が珍しく正座をして黒い炭団の様な穴の目をキラキラ輝らせて、私と目を会わせずに斜め下を見詰めながらも小さくうん分かったとだけ返事をして納得はしてくれたようである

その日以来7は公園には行くものの蟲弄りはピタリと止めて、私が迎えに来るのをじっと待つだけになった
7を公園に追い出すのは何故かその間の私の行動については詮索をしないので楽だからでもある

最初は部屋を掃除するからと公園に7を追い出していたのだが、掃除が終わり生活必需品の買い出しにでも行くかと出掛けてから、一端アパートに戻りのんびりと寛いでからそろそろ公園に7を迎えに行くかと行っても7は公園の適当な場所で迎えを持っている

7と一緒に部屋に居る時には私が仕事以外で出掛けて行く時の動向を7は非常に気に掛けてくるのだが、その理由について何回か7に尋ねてみても私に取って得心のいく答えは一度も返ってこないので
今ではもっぱら7に適当な理由を与えて公園に行って貰い、外出の用事を済ますだけである

7に記憶力が無いわけでもないのに部屋に居ない間にい色々な物が増えていても減っていても7は無頓着である