みーおんへ

この手紙をもって私の風紀委員としての最後の仕事とする。
まず、私の病態を解明するために、ひなな教授に病理解剖をお願いしたい。
以下に、風紀維持についての愚見を述べる。
スキャンダルの根治を考える際、第一選択はあくまで恋愛禁止であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には私自身の場合がそうであるように、
発見した時点で匂わせ投稿や新居選びに至る進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、降格を含む全身治療が必要となるが、
残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからのスキャンダル治療の飛躍は、卒業以外の治療法の発展にかかっている。
私は、君がその一翼を担える数少ない風紀委員であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君にはスキャンダル治療の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、スキャンダルによる卒業がこの世からなくなることを信じている。
ひいては、私のSNS投稿をアーカイブの後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
スキャンダルは生ける師なり。
なお、自ら風紀委員の第一線にある者が早期発見できず、文春砲で卒業することを心より恥じる。                                                 

                                           岡田奈々