>>33
Yが着ぐるみショーの仕事からKO事務所の表に出せない装備や装具の点検と整備をする仕事を任されてからと云うものの

Yの肩書きの女優の仕事がパッタリと途絶えてしまったのは、事務所の最高機密に触れられる幹部扱いになってしまったからだった

事務所が意図してYの女優の仕事を受けない、取って来ないなら当然のこと

それでもYがマネージャーに不満を漏らさなかったのは、裏方とは云え事務所同士の最後の決着手段の武力抗争に
どうしても必要な点検整備の仕事ゆえに実入りが桁違いに良かったからだ

Yにとり、さらに都合が良いのは7の直属護衛軍隊長として働ける時間を、ある程度は自由に捻出できるからでもあった

週給で億とかなら女優の仕事が皆無でも遊んで暮らせるわと、Yが独りで居るときなどはニヤニヤが止まらない時があった

その月の最終週、スズからYに直属護衛軍全員を自宅に召集せよとの命令が下った

スズの命令でYとHとSが揃って集められるのは、7の直属護衛軍の設立以来の久方ぶりであるので

Yの自宅でスズを待つ三人とも緊張が隠せなかった

特にHは7の〇〇に献精サービスをしようとして、スズに気付かれてしまい、止められた苦い経験があったので

7思いのスズに今度こそ粛清されてしまうのでないかとの不安から、細かい震えが止まらなかった

トントンとドアをノックする音と共に声がする

スズ「こんばんはY、スズだよ、開けて欲しいんだよ」

Yはスズ様待たせて済みませんと言いながら、慌ててドアに駆け寄り開くと、見慣れた廊下ではなくて、見慣れぬ部屋とスズが視界に入った