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真ホワイトシスターズ&7様直属護衛軍(元スリーホワイトシスターズ)物語


その若い女性は洗濯はしてはあるが、若干ヨレヨレの数年前の古い流行りの服を着ていた

陽向で風の当たらない場所を探して、古ぼけたキャリーバッグを引き、大きなリュックを背負って移動をしていた

あと、どのくらいお金は保つかしらねと、心細い思いに囚われては小さくため息を吐いていた

そのみすぼらしい若い女性がとぼとぼと歩いていく、日に一回の食事しか取らないので栄養失調による貧血で転けかける

転けかけた先に手を繋いだ双子の二人の少女がトテトテと歩いていた

若い女性が少女たちの進路を塞ぐ形になったはずなのに、ちょうど少女たちの繋いだ手を断つ位置に倒れかかったはずなのに

何事も無かったかのように少女たちは手を繋いだまま、貧相な身なりの若い女性をやり過ごした

それでも若い女性は二人の双子少女に向けて、ごめんなさいと謝ってから、風の当たらないを陽向を探して少女たちの反対側に立ち去ろうとした

がしかし、双子少女の片割れが若い女性の前に立ち塞がるようにいつの間にか移動していたので驚いてしまい、ヒィッと軽く悲鳴じみた声を出してしまっていた

良く見れば若い女性を止めた少女は希にも見ないような美少女であった

化粧気の無い、いや余計な化粧などをしたら、美しさを汚しでもしてしまいそうな美少女であった

その少女は片割れの双子少女に向かって言った

スズ「7は私が迎えに来るまで、この辺りで見付からないように探索していなさい、スズはこのオバサンにお話があるので、別の領域に居るからね、スズに用があったら迷わずに呼ぶんだよ」

少し呆気にとられた若い女性は、オバサン呼ばわりされたことに腹を立てるのも忘れて、少女たちの会話を黙って聞いている

オバサンは目の前の少女に言い付けられた方の少女が、恐らく双子の妹なのかなと思っていると

7「うん分かったけど、〇〇が帰る前に家に帰れるよね?」

スズ「そんなの当たり前だよ、じゃあ、オバサンは私と行こうか」

えっ、行こうかって勝手に何を決めてるのよ小娘と、やっと驚きから立ち直り、文句を口にするより先に、オバサンが道路から消える

次の瞬間にオバサンは見知らぬ少女と二人きりで見知らぬ部屋に立っていた

スズ「低次元下等領域に長めに居るといろいろとあるね、T」

何でこの少女は私の名前を知っているの?

オバサンはまた驚かされた!