識者 松谷創一郎さん


自らの願望に沿った情報をネットから拾い、それを根拠に自説を固めていく。
そのプロセスでは、賛同者がさらなる情報を追加し、根拠を強化する。
反論に対しては、「ネットを検索すれば、多く事実が出てくる」と自説の“根拠”を出し、耳を貸さない。

彼らに共通するのは、「自分が信じたい情報しか信じない」という姿勢だ。
そこでは、完全に理路が転倒している。
「信頼のおける情報」とは、複数の情報と比較検討するなど、精査した上でのものを指す。
しかし、彼らは「こうあって欲しい」という思いに見合う情報を集め、その願望を強化していく。
そして、いつしかその願望が現実に置き換わり、「信じたい情報」が「信頼のおける情報」へと変化する。