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YとHとSは並外れた緊張ゆえか時の流れを正確に計れなくなっていた

実際にはYの地下室の部屋に集まってから数分も経たないうちに、廊下からドア越しに三人を呼ぶスズの声がする

三人はYを先頭にして急いでドアを開けて駆け込むと、いつもの見慣れた部屋に椅子に座る7と背後に立って控えるスズが居た

Yは7とスズの着ている服が決して安くはない素材と縫製と分かるだけではなく、いつもと違う初めて見る華美さを併せ持つのに気が付いた

7とスズの前で跪く三人を代表して7様直属護衛軍隊長のYが話す

Y「火急の御用命との事にて、7様直属護衛軍が馳せ参じました、何なりとお申し付けください」

スズが三人に向けて話す、用件は7様が〇〇様と御遊行されるので、それに7様の友人として同行して接せよ

今回はお前たち三人が〇〇様を御相手にする場合もあるので、くれぐれも失礼の無いように、改めて言い渡す事があると告げてきた

今回の御遊行は人間の友人の居ない7様に友人が出来たと〇〇様に見せびらかして、〇〇様から7様への関心を高めるのが目的である

ゆえに御遊行時の7様への気安い態度については今回は許すが、間違えても〇〇様へ同様の立ち居振舞いをすれば、私にこの世に最初から存在しなかった事にされると覚えておくように

それから7様から三人を誘った事にするゆえに、御遊行時の費用は全てこちらで持つ、任務が任務ゆえに謝礼は無事に御遊行を終えて帰ってから渡す

スズが7様からも三人へ直接に言いたい事があるので、慎んで拝聴せよと言うと7がそれまでニコニコと三人を見ていたのに、急に真顔になった