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2020年に女子プロレスラーがSNSで中傷されたことを苦に自ら命を絶ったことは、記憶に新しい方も多いでしょう。
この件がきっかけとなって見直しの議論が拡大し、今回の改正にもつながりました。

何が変わったのか
現行法(2022年7月現在)では、侮辱罪の刑罰は拘留又は科料とされています。
つまり、30日未満の間刑務所等に入るか、1万円未満のお金を払うか、ということです。

今回の改正案では、侮辱罪の罰則が大幅に強化され、「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」に引き上げられることになります。

今回の改正は、単に侮辱罪の刑罰が重くなったというだけではありません。

懲役刑が導入されたということは、侮辱罪で逮捕されて起訴される可能性が高くなったことを意味します。

現在の法律では、被疑者・被告人が定まった住居を有しない場合、または正当な理由がなく出頭要請に応じない場合でなければ、逮捕されません。

しかし、改正法では、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある時に逮捕が可能になります。

また、侮辱罪はこれまでどちらかというと軽微な罪だったため、捜査機関も証拠を集めて立件することに消極的になりがちでした。

今回の改正で捜査機関が動きやすくなり、投稿を特定するためのハードルが下がります。

捜査機関が侮辱罪の操作・立件に積極的になれば、捜査機関で投稿者を特定した上で損害賠償請求を求めることも可能になります。
さらに、懲役刑が加わったことに伴って時効が1年から3年に引きあがります。
誹謗中傷の被害者にとっては時間的に猶予ができますし、捜査機関も逮捕して証拠も集めやすくなりました。