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マネージャーの報告を聞いて鰐のボスが表情を和らげながらHに話す

ボス「H、頭を上げや、そんなに恐縮せんでもええよ、実はな先にマネージャーから報告は受けていたんやがな、儂の前でHがどう釈明するかを観たくてな、Hはその虎徹みたいに真っ直ぐな人柄やな、良いもん見せてもろたわ」

ボスはマネージャーに視線を移して目で合図をマネージャーに送り、自身は机の引き出しから分厚い封筒を取り出す

マネージャー「Hさん、ごめんなさいね、あなたに内緒でいろいろと調べたりして、でも、こういう生き馬の目を抜くような業界だから許してね」

ボスはデスクの上の分厚い封筒をHの方に寄せながら話す

ボス「Hみたいな正直者を疑うて済まんかったな、せっかくの休みを台無しにした詫びみたいなもんや」

受け取るのを躊躇うHを見かねてマネージャーも受け取るように促す

マネージャー「ほら、Hさん、遠慮しないで、あなたに此れからも鰐の会を盛り立てて頑張って欲しい、ボスの気持ちよ」

マネージャーの言葉を聞いてHは初めて笑顔で分厚い封筒を額に押し抱きながらボスに御礼を言う

H「熱血ー、ボス、アザっす、有り難く頂戴します、此れからもHにご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします」

ピョコンと弾けるバネのように最敬礼をするHを見ながら鰐のボスがマネージャーに指示を出す

ボス「マネージャー、済まんがHを自宅まで送ってやってくれ、長々と悪かったなH、もう帰りなさい、お疲れさん」

再度ボスに最敬礼をしながら失礼しましたと退室をするHに続いて
軽く目礼をしながらマネージャーも退室をする

受付からHとマネージャーが退所したと連絡が来てからボスが何処かへ電話をする

鰐のボス「おう、儂や、Hの件やけどな、向こうさんからの内部破壊工作員の線は無いと思うで、そやけどな、Hの古巣の連中でHと繋がっとる者が居るさかい、今まで通りHの監視は弛めんでな、Hは安全安心やけど、少々、真っ直ぐ過ぎて人を疑えん性質やからな、古巣で仲良うしていた者に利用される可能性は有るでー、そん時はHには悪いがその友達には消えて貰ってな、悪い虫は駆除せんと、大切なHが金の卵を産めなくなるよって、ほな頼むで」

この業界で生き延びるのに御人好しでは難しいさかいなと独りごちる鰐の会のボスであった