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スズ様と7様の名前を聞いたWに恐怖の記憶が鮮やかに甦る
あの怪物二人にWと組織A本部と手下の女は謎の力で壊滅させられてから、悪魔のさくらんぼの実を除いて謎の力で元通りにされたのだ

恐怖で錯乱したWが両の手にそれぞれ別の破壊をもたらすマジックアイテムを握って前に突き出して

久しぶりの後先考えない全身全霊の全力の魔法攻撃を解き放つが何も起こらなかった

TがイキなりWに眼前に両手を突き出されて驚き、大きく後ろに仰け反ってしまい、付き従う仮面少女に支えられたので、思わず仮面少女に訊いてみる

T「うわっ、今のは何なの?、もしかしてWが何かしたの?」

訊かれた仮面少女には名前がある、一人はY、あと一人はWである
実は仮面少女はスズ様に産み出された7様直属妖魔軍の最初期メンバーで魔神級の実力を持つ魔女で、仮面少女Yと仮面少女WのモデルはそれぞれYとWである
せっかく自分のモデルのWが来ているのでと仮面少女Wが答える

仮面少女W「はい、たいした魔力は込められてはいないので、人間に例えると大声で驚かしたみたいなものです」

魔神は例外なく普段から穏やかでぼーっと暮らしているのでWの悪意も攻撃性も良く理解していないゆえに

Wから放たれた彼我の魔力の単純な差のみで考えたので答えた事により、このあとのWは救われる事になる

T「ちょっとWー、いくら昔なじみでも、これはないんじゃない。せっかくWが潤う仕事の話を幾つか見繕ってきたのに、もうこの話しは止めとく」

全身全霊の全力の魔力での攻撃をアッサリと不発にされたWにはTの言っている事は耳には入らない

このままでは仮面少女に殺られてしまうと判断してからのWの行動は素早かった

ジャンピング土下座額から着地バージョンの額が床に激突する音が室内に響く

それを見たTが誤解をする
T「もう土下座とか止めてよ、大丈夫よW、お仕事の話しはお仕事の話しでするからさ、頭を上げてよ」

そんなこんなでW率いる組織Aの手下の女たちは、無事にT代表の居るオフィスの傘下企業として
地球上だけではなくスペースコロニーや月や惑星間を飛び回り活躍する清掃のお仕事を引き受ける事になった

時は経ち地球上を止まない異常気象が襲いと大量発生する災害獣の被害が増えるに連れて

その対策の為の予算が増えるに従い人類の宇宙開発事業への情熱は下火になっていく

やがて太陽系開発事業団と参画国家は宇宙開発事業から撤退を決めた

その際に完成した全プラントはオフィスが参画した国家から全て買い取る形で全プラントを封鎖して、新たな主が来るまでは魔力結晶動力炉が発生させる魔法で施設を最低限維持するようにしてから全職員を引き上げさせた

Wは竜宮島の海辺で漂着物を組織Aの手下の女らと回収する手を休めて空を見上げる

またいつか宇宙(そら)で仕事をしたいものだと願うWだった