>>72
道路自体はほとんど傷んでないものの整備がされなくなって何年も経つ道の上は走行に邪魔な物がたくさん散らばって落ちている

補助動力付き荷車は荷車を曳く事自体の肉体的な負荷を無くしてはくれるが
大小様々な進路を妨害する邪魔物を避けたり乗り越えたりするのには気を配らざるを得ない

今はSが曳く当番の荷車に乗るYとHは荷車から振り落とされない様に捕まって座っている

端末で進路先の古い情報を調べているYとHが話し合う

Y「出発初日でまだ体が野営に慣れてないから、この先に大きな施設が在るみたいだから、今夜はソコで早目に休まない」

Yが自分の端末画面をHに見せて意見を述べると、それを聞いたHが答える

H「そだねー、この距離ならSにもう少し頑張って貰って、この施設で野営は賛成よ」

二人の意見がまとまったのでSにも訊いてみると

S「分かったよ、じゃあ、飛ばして早く施設に着けるようにするから、しっかり捕まっていてね」

時には右に左にと大きな障害物は避け、小さな障害物は乗り越えたりしながらSの曳く荷車は加速していった