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俺はアパートの寝室で、7が音も無く、しかし体の輪郭がボヤけるほどに震えながら、寝室の床や天井や壁をトテトテと歩き回る様子を

熱と悪寒と体の節々の痛みに耐えながら、横になって薄らボンヤリとした意識の中で眺めていた

俺はどうやら質の悪い流行りの新型感染症に罹患したらしくて

若い事もあり病院にも行けずに自宅での療養となってしまった初日の事である

こういう時に頼りになりそうなスズは7の情報汚染の疑いを晴らすために
群れの長たちに逢いに行ってしまっていた

スズにまで情報汚染の疑いが有るので太い繋がりを群れ長たちに許可されなかったので

スズは群れ長たちに許された細い繋がりでの最低限のやり取りで、群れ長たちの居場所を教えられたので逢いに行ったのだ

最近の7はスズに特訓されていて俺の家が限定ながらも家事がそれなりに達者になったが

しかし下等領域の下等生物の人間に付いての理解はスズに比べると全然に追い付いてないので

献血すら理解が難しい7が朝から俺の元気の無い様子を見てしまい

最初のうちは7の〇〇が可哀想な事になると叫びながら(部屋外には全く届かないが)

狂ったように頭や体のあちこちを床や壁や天井にぶつける音が響き渡り(もちろん外には聞こえない)

うるさいので静かにしろと言ったら、無音で寝室内で7が御乱心で歩き回る事になったのだ

7に新型感染症について話してもスズと違い理解は遠いだろうと思い

無音でも目障りなので適当に嘘を吐いて寝室から追い出す事にした

俺「7、落ち着けよ、そんなに慌てなくても必ず良くなるからさ、それよりもスズに早目に帰って来れないか繋がりで訊いてみてくれよ、何か変な物でも食べた程度だから安心して、7はスズに繋がれたら、リビングでテレビでも観ていなさい、用が有れば呼ぶからさ」

こんな感じで7に話しかけると

7はスズに繋がりで助けを求めたら、〇〇が可哀想な事になりそうな原因に気が付いたから出掛けるねと言い

今回の御出掛けは美味しいお弁当は要らないからねと言い置いてトテトテと寝室から出て行く

こんな病んでる時に出掛けるとかなー、7でも居たら居たで少しは役に立つかも知れないのにと思いながらも、7の好きにさせる事にして寝られそうもないが目を閉じた