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組織Aの東京に設けられた新しい本部(北の辺境地域Yの組織Aの旧本部はみぞゆうの大雨と洪水で水没してしまった)に強制転移したYは後悔の念で歯噛みしていた

迂闊にも強力な魔力で守護されている場所と知らずに強制転移した為に
HとSとは別々の場所にYだけが出てきてしまったのだ

しかしY独りとはいえ守護魔力陣を突破して強制転移した場所こそ
組織Aの心臓部分の女ボスWが創ったマジックアイテム開発室であり、今もマジックアイテムの研究開発に励んでいたWの眼前であった

Wはイキナリ守護陣を破り侵入された事に驚いたが、肝の据わったWらしく侵入者が誰かを特定していた

Y「お久しぶりね、まさか、あそこでは1研修生に過ぎなかったWが組織Aの首魁とはね」

W「こちらこそ、お久しぶりですわYさん、いえ気違い高笑いの紫婆とお呼びした方が宜しいかしら」

しかし二人の久しぶりに逢った淑女みたいな展開はここまでであった

Y「大人しくしとれやW、すぐに息の根を止めたるでー」

W「黴の生えた婆が何を抜かしとるねん、いつまでも場所塞ぎせんと、素直に地獄に行けや」

Yのショコラの魔法戦闘術とWのマジックアイテム戦闘術が開戦した

その頃のHとSと云えば、HがSを負ぶって組織Aの地下に設けられた本部内を逃げ惑っていた

Yのショコラの魔法により強制転移はされたが、Wのマジックアイテムによる守護陣の影響で二人だけが

悪魔のさくらんぼの実をWの大勢の可愛くて綺麗な女部下らが手作業でパック詰めしている作業場に出てきてしまったのだ

不意を突けた初戦こそHの野球で鍛えたバット格闘術でWの女部下らに優勢でいられたが

最近、Wにより改良されたマジックアイテムで、さらに女振りと身体能力が強化された女部下らは

Hにバットで容赦無く叩き伏せられても、歯を食い縛りながら立ち上がり

顔は叩かないでよねと怨嗟の籠った言葉を言いながらHにまた立ち向かってくるのだ

Sも私はさくらんぼ妖精大使だから無敵よと言いながら善戦をしていたが

かつて組織Nで身に付けた集団戦闘術では対抗しきれずに

Wの女部下らに集団リンチされている有り様になっていった

そんなSを見てしまい、HはYに助けてと心で祈りながら

HはSを護る為になら殺人も辞さぬ勢いでバットを振りかかりながら、Sを一方的に殴る蹴るする女部下らに飛び込んで行く

Hは野球で鍛えた耐久力ならこんな顔とスタイルだけ私より勝った奴らには
絶対負けないからとぐったりとしているSに負ぶさるように言って

Sを負ぶさると亜音速で駆け出して逃げ出していって今に至る

しかしYにも近い魔力使いのWとの戦いの真っ最中のYには二人のピンチを救いに行く余力が無かった

Yもまた、神仏に二人の命を御守りくださいと祈ることくらいしかできなかった