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真ホワイトシスターズ物語 -未来編-

あのが山林の中を苦労しながら走っている
走っているとは言うが、樹木や下生えに凸凹の不整地では出せる速度は早歩きがせいぜい

枝などで怪我をしない様に、あのの身に付けている装備は帝国近衛軍の簡易戦闘服だった

重くなく身体の動きを阻害しない上に、激しい運動による体温の上昇を防ぎ恒常化する機能も付加されている便利な代物だ

それでもあのは荒い息をしながら低い方へ低い方へと転けつまろびつ進んで行くと、樹木を切り開いた場所へたどり着けた

あの「スズが言ってたのはここのことよね、あっ、あれがチェックポイントだ」

切り開かれた真ん中当たりに樹木や岩石とは見るからに違う材質の杭状の高さ3メートル程度の物が建てられている

あのが杭状の物に近寄り調べると直径30cm、厚さ5cmほどの円形の黒い押しボタンが設置されている

押しボタンの上には説明書きが添えられているのと説明書きにも小さな黒い押しボタンが着いている

あのが説明書きの小さな押しボタンを押してみると
あのの脳内にメッセージが直接に伝わってくる
この構造物はオフィスの所有物であり許可の無い者が触れると罰せられる事への警告と合わせて
あのが許可を得て居る者と認識したので
いつでも本押しボタンを押しても構わないと告げている

あのが迷わずに大きい押しボタンを押すが特に変化が起きないが、この場所が目的地には間違いがないので座って待つことにした

大して待つこともなく夫の○○が樹木の中から現れてあのに声をかけてきた

◯◯「おっ、あのだけか?着くのが早かったな、スズたちはまだか?」