松戸市民が狙われています−。昨年、ニセ電話詐欺の被害が県内で最も多かった同市は、市内全二十四万世帯に「電話ｄｅ詐欺撃退シール」の緊急配布を始めた。ポスティングによる方法で二十日までに配り終える予定。若い世代の世帯には、親や祖父母への注意喚起を期待している。
　市によると、過去最悪だった昨年の被害状況は、前年比３７％増の百六十九件。金額は１６％増の四億四千六十五万円に達した。前年、松戸市より被害が多かった船橋市は百三十件（約三億七千万円）、千葉市は百二十六件（約三億二千万円）だった。
　被害件数は前年と比べ、船橋市がほぼ横ばい、千葉市は減少に転じたのに対し、松戸市は四十八件も増加。この点について同市市民安全課は「都県境に位置し、交通網が発達していることも一因」と推測。今後も多くの被害発生が予想されるとし、十日発行の市広報紙は防犯特集を組んで「松戸市民が狙われていることはあきらかです」と警戒を呼びかけた。
　Ｂ５判のシートには、八種類の撃退シールが収まる。「詐欺に注意！」「その電話、ほんとに大丈夫？」と注意を促すものや、警察に相談できるよう松戸署、松戸東署の電話番号を記載したものも。受話器や電話帳など目の付くところに貼り、不審な電話にも慌てず冷静に対応してほしいという。（牧田幸夫）

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