ある監獄にA、B、Cという3人の囚人がいて、それぞれ独房に入れられている。罪状はいずれも似たりよったりで、近々3人まとめて刑が執行される予定になっている。
ところが恩赦が出て、3人のうちランダムに選ばれた1人だけ助かることになった。
誰が恩赦になるかは明かされておらず、それぞれの囚人が「私は助かるのか?」と聞いても看守は答えない。
したがって、囚人Aが恩赦になる確率はこの時点では1/3であると考えられる。

そこで囚人Aは一計を案じ、看守に向かってこう頼んだ。
「私以外の2人のうち、少なくとも1人は助からないはずだ。その者の名前が知りたい。私のことじゃないんだから教えてくれてもよいだろう?」
すると看守は「Bは助からない」と教えてくれた。

それを聞いた囚人Aはひそかに喜んだ。Bの死が確定した以上、恩赦になるのはAかCのいずれか一方となり、したがってAが恩赦になる確率は当初の1/3から1/2まで上昇したからである。

果たして囚人Aのこの計算は正しいだろうか?