解禁のフェースガード、センバツで15校が採用…打球の見づらさや高価格で見送りも
https://news.yahoo.co.jp/articles/42f4f6b721973557809fd937ba5d46efc643a6ab
広陵(広島)は1回戦で、先発した全打者がフェースガード付きヘルメットで打席に入った。
2月から練習に取り入れ、使い勝手を確認して採用を決めたという。
浦和学院(埼玉)も複数の選手が着用した。本塁打を放った高山維月選手は
「これがあればボールに向かっていける」と効果を語った。
今大会では32校中、半数近い15校で先発した打者のうち1人以上が使用していた。

フェースガードは主に頬を保護し、ヘルメットに金具などで取り付ける。
プロ野球では大リーグで流行した影響を受け、2019年頃から使う選手が急増した。

高校野球では、一般財団法人「製品安全協会」が保証する「SGマーク」が付いた道具に限り使用を認めている。
これまでガード付きは「改造品」とみなされ使えなかったが、アマチュアの試合で顔に死球を受けて
大けがを負う例が後を絶たず、全日本野球協会が審査基準の見直しを要望。
SGマーク制度の対象となったことで日本高校野球連盟が2月、使用を認めた。
全日本大学野球連盟のほか、全日本軟式野球連盟に加盟する小中学校などでも使えるようになった。

2019年の選抜大会に出場した国士舘(東京)の元主将で、練習試合中に顔面死球を受けて頬を陥没骨折した
男性(20)は「フェースガードがあればけがは防げたと思う。今も顔に金属の固定具が埋め込まれており、恐怖心を克服するのは簡単ではない」と話す。

ただ、使用は各校の判断にゆだねられており、安全性向上を歓迎しながらも今大会からの導入を見送った学校も多い。
価格が通常のヘルメットの2倍となるものもあり、二松学舎大付(東京)の市原勝人監督は
「新たに買いそろえるのに費用がかかる。着用が義務になるまでは様子を見たい」と話す。
口元までを覆う形状のため、市和歌山(和歌山)の岩本悠部長は「打者は投手を見る際の景色が変わってしまう」と語った。

近年、日本高野連は、タイブレイクや投手の球数制限など、選手の負担を軽減する取り組みを進めている。
フェースガード付きヘルメットについては「選手や指導者は安全面を考慮して使用を検討してほしい」としている。