貫禄を身にまとったエフフォーリアが雄々しく駆ける。美浦Wで大きく先行するフミローグ、コスモダークナイト(ともに3歳未勝利)を追走しながらペースアップ。直線に入っても前との差はなかなか詰まらなかったが、鞍上の横山武に追われると、目覚めたかのようにギアを上げて一気に加速する。猛烈な勢いで馬体を並び掛け、5F66秒5-37秒2-11秒6を計時。ゴール後も勢いを緩めず、僚馬2頭を突き放しながら伸び続けた。

 前夜の雨でぬかるんだウッドチップをモノともしない豪快な走りに、鹿戸師も納得顔だ。「思ったより前が頑張ったから手間取ったけど、馬場を考えれば上等でしょう。追いついてからの走りは(普通の馬と)全然違うよ」と目を細める。

 ただ、主戦のジャッジは前走のレース前と同様に手厳しい。「有馬記念の時と比べたらマシだけど、100%まではまだまだです。もっとスッと動けるはず」。それも求めるハードルが高いからこそだろう。「普段はおっとりしている馬だし、今回しっかりやったことで変わってくれれば」と、本番までの良化に期待を寄せた。