http://jin115.com/archives/52342567.html

<中略>

 こうしてゼレンスキーがオンラインで演説を繰り返し、SNSでの発信を続け、人々を酔わせることは、戦場が遠ければ遠いほど、それが現実感覚を失わせ、ドラマやゲームのような世界観と交錯させる。戦況と戦争被災者の映像を繰り返してばかりの報道にもいつしか慣れて、乾いた心にはテレビの向こうの出来事と認識する。そこに新しい戦争の恐怖と大衆への懸念を感じずにはいられないのだ。

 ゼレンスキーは高校教師が大統領になるテレビドラマが大ヒットして、本当に国民の圧倒的支持を受けて大統領になった。大統領を演じることも容易い。それを見る側も彼の言葉に酔い、その間にも人命が失われていく現実を見失う。すでに国会演説のタイムスケジュールに、議員たちによるスタンディングオベーションまで組み込まれていたことは、ゼレンスキー劇場のエキストラとなったことに等しい。彼は戦う大統領なのではない。国民を被災させた大統領なのだ。