すると海老蔵は

俺のこと好き?と聞いてきました

早くこの場から逃れたい  なんとか逃げたい
ありったけの力をなんとかなんとか振り絞り

すき

と言いました

言うしかなかったから言いました
私の身体の上から、どいてほしくて言いました
私は、あの日、嘘を、大嘘を、人生最大の大きな嘘をつきました
でも解放してくれませんでした

どこが?どこが好きなの?言ってみて
と海老蔵が耳元で囁いてきます

怖くて怖くて怖くて
でもなんとかしなくてはいけない
どうにかどうにかどうにか思い付いた答えを必死に必死に言いました

がいけん

がいけん?
うける 麻耶ちゃん 俺の外見、好きなんだ

ようやく私の上から海老蔵はいなくなり部屋から出ていってくれました
本当に女なら誰でもいいんだなと怒りが込み上げてきました