なにか光り輝く異様なものが空をよぎった。
 同世代の人々とは何も共通点を持たないかにみえた一人のミネソタ出身の若者が、英雄的行為を成し遂げた。しばらくの間、人々はカントリークラブで、もぐり酒場で、グラスを下に置き、最良の夢に思いを馳せた。
 そうか、空を飛べば抜け出せたのか!
 われわれの定まることを知らない血は、果てしない大空になら、フロンティアを見つけられたかもしれなかったのだ。
 しかし、われわれはもう、引き返せなくなっていた。
 ジャズエイジは続いていた。
 われわれはまた、グラスを上げるのだった。