西谷が鬼だった頃

元巨人ドラフト1位・辻内崇伸、いまだから語れる高校時代の真実

2年生の夏に、一度だけ肩のけがをしました。大阪府大会で、準々決勝、準決勝、決勝と連投することがあったんです。
準々決勝くらいから肩が痛かったのですが、我慢して投げ続けました。
試合前は、薬を飲んで、注射を打って、針を打って、アイシングをして……。
いろんなことをしていました。とにかく痛みがひどくて、試合の不安よりもそっちが先にありました。

マウンドで汗がブワーッと噴き出ていましたから。尋常じゃない痛みの中で投げていましたね。
その後、1カ月くらい投げられなくなりました。それほど重いけがだとは考えていなかったんですけれど。

──そんな状態でも、西谷(浩一)監督には肩の痛みについて話さなかったのでしょうか。

まあ……、言ってはいました。ただ、夏の大会、甲子園をかけた最後の試合ですから。
監督からは、「そんなことで、お前降りるのか」と言われたというのが裏話で(笑)。