巨人は助っ人補強に失敗した昨季の反省に立ち、今季は8人体制で臨んでいるが、早くもミスマッチが起きつつある。

5―3で逃げ切った29日のヤクルト戦(神宮)。1―1の6回に、相手左腕の坂本が連続四球で無死一、二塁と好機を得た場面で、原辰徳監督(63)は「3番・右翼」のグレゴリー・ポランコ外野手(30)=前パイレーツ=に代打・広岡を送り、バントを命じたのだ。

確かに新助っ人はメジャーでは対左腕にからっきしだったが、開幕の中日戦では大野雄から3安打をマークしている。指揮官は「無死一、二塁で何とか塁を進めたかった」と作戦を説明。この犠打が野選を呼び、さらに適時失策、ポランコと同じく左腕に課題のある松原が左中間へ走者一掃の三塁打を放つなど4点勝ち越しに成功した。

開幕戦で猛打賞デビューのポランコだが、その後は3試合音なしで、球団関係者が「このままなら対左腕で結果を出した松原を使いたくなるよね」と言うように、早くもスタメン落ちの危機。ウォーカーは守備に難があり、同じ右打者なら安定感のあるウィーラーが優先される。

投手陣ではこの日はマット・アンドリース投手(32)=前マリナーズ=がイースタン・リーグの日本ハム戦(ジャイアンツ球場)で来日初登板。3回を3安打1失点。27日には右腕のマット・シューメーカー投手(35)=前ツインズ=が同リーグのDeNA戦で6回1失点と順調に仕上がり、4月上旬の合流が見込まれる。

だが先の関係者は「先発よりも今欲しいのは中継ぎなんだよな…」と思案顔。開幕1軍のデラロサは不調で前日28日に2軍落ち。代わってビエイラが昇格したが、この日の登板はなかった。

「まだ万全じゃないけど、リリーフ陣が火の車。いないよりはいてくれた方がいい」(前出の関係者)との評価で、僅差の試合での起用には不安が残る。ストロングポイントに助っ人がだぶつき、ウイークポイントには補強が届かずにいる。

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