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小さな孤児院「グレイス=フィールドハウス」(以下、GFハウス)。活発で運動神経抜群な少女・エマ、抜群の知識と判断力を持つ少年・ノーマン、ノーマンに匹敵する頭脳を持つひねくれ屋の少年・レイの3人の年長者をはじめ、子どもたちは“ママ”イザベラの愛を受けのびのびと暮らしていました。

しかし、そんな日常はある日崩壊してしまいます。ひょんなことから、自分たちが人を食す異形の化け物「鬼」の“食事”として育てられていることを、エマとノーマンは知ってしまうのです。

同じ年長者であるレイにも事実を話し、3人はこの偽りの楽園からの脱出計画を考え始めるのです。

ハウスに寄贈された本を通じて、外の世界の知識、脱出への手がかりを与えてくれる謎の人物「W(ウィリアム)・ミネルヴァ」の助力もあり、なんとか脱出への道筋を見出していく3人。自分たちに次ぐ年長者であるドン、ギルダをはじめ徐々にほかの子どもたちにも真実と計画を打ち明け、決行の準備を進めていきます。

しかし、決行が迫るなか悲劇が。イザベラの策略により、ノーマンの「出荷」が決定してしまうのです。悲しさ、悔しさを抱えながらも残されたふたりは、ノーマンの思いを胸に彼が残してくれた作戦を実行に移します。

いよいよ作戦が決行。子どもたちの努力・チームワークが見事に結実しハウスの脱出に成功します。かつて自身も孤児院の出身であり、外の世界を夢見た少女でもあったイザベラは、エマたちの幸せを願うのでした。

外の世界へと飛び出したエマたち。庇護するものはない、どれだけ鬼がいるか分からない恐ろしさを抱えながらも、安全な場所を見つけ、断腸の思いでハウスに置いてきた幼い子どもたちを2年以内に迎えに行く、という目標のため歩みを進めていきます。